目次
日常的な貼り止めから日曜大工まで、生活のなかで何かと出番の多い両面テープ。
セリアでは多くの両面テープが110円という安さで販売されている。今回は、そのなかから主要な製品をピックアップ。主に粘着力の面を検証してみた。
様々な素材に対応した充実ラインナップの「超強力アクリルフォーム両面テープ」
セリアには、非常に多くの種類の両面テープがあるが、よく見るとおよそ半数が「超強力」とうたわれた商品シリーズである。メーカーは、(株)モリトク。両面テープにとどまらず、100円ショップ向けの家庭用品を多数扱っている老舗企業だ。
セリアの数店を見て回ったところ「超強力」シリーズは全部で5種類あった。商品名は「超強力アクリルフォーム両面テープ」と共通しており、用途別に「一般材料用」「ガラス・アクリル用」「鉄・アルミ・ステンレス用」「エクストラ多用途」(ホワイトとブラック)と分かれている。
性能面について一つずつ確認していこう。まず「一般材料用」から。これは、「金属・プラスチック・ガラス・木材など」かなり汎用的に使える両面テープ。幅は約12mm、長さは1mある。ちなみに、厚みは1mmと結構厚ぼったい。
使い方は、必要な長さをはさみで切ってから、剥離紙をはがさず、まず一方の接着面に貼り付けて剥離紙を剥がす。それからもう一方の接着面にくっつけ、数秒間押し付ける。注意したいのは、しっかりと接着が完了するまで約1日かかること。これは、他とも共通した要件である。
接着力の検証のため、2つのプラ製品を約5cmのテープで貼り合わせてみた。
貼り合わせた時点でかなり接着していたが、1日置いてみて、力任せに剥がせるかどうか確認してみる。さすが「超強力」をうたうだけあって、なかなか剥がせない。
ただ、引っ張る力に対しては強いが、上の写真のように別々の向きに「回す」ようにすると、多少の力をこめた時点であっけなく剥がれた。横方向にかかる力には弱いということになる。
次は「ガラス・アクリル用」。貼り付け面が透明であっても目立たないよう、テープは透明である(剥離紙は白)。
2個の小瓶のガラスの部分同士を貼り合わせて、接着力を確認する。
24時間後、接着強度を確認してみる。しっかりと接着できてはいるが、プラスチック同士に比べるとやや弱い印象。曲面と曲面の接着のせいかと思い、板ガラス同士で再度確認したが、やはり弱めであった。
次は「鉄・アルミ・ステンレス用」。テープはグレーで、剥離紙は透明のグリーン、厚さは0.6mmと薄い。「耐熱用」とあるが、どれぐらいの温度に耐えるのかは書かれていない。「火気・熱源のそばや高温になる場所での使用」は不可とあるので、常識の範囲内と考えるべきであろう。
さっきの小瓶の蓋同士を貼り合わせて、1日経ったものを剥がそうと試みた。
ガラスに比して接着強度はなかなか高い。これは結構使えるとみた。
最後は「エクストラ多用途」。テープの色は、ホワイトとブラックがあって、パッケージは微妙に異なるが、機能については同じようだ。「屋内・屋外用」「凹凸面にもピタッと接着!」と記されており、モルタルやコンクリートの外壁にでも接着できるという。
逆に、軟質塩化ビニル、軟質ゴム、ポリエチレンといったプラスチック、ガラスなどは接着できない素材として明記されている。また、10度以下の低温では接着しにくいので、冬場は接着面をドライヤーで温めるよう指示がある。
では、さっきのガラス瓶の金属の蓋部分を、下の写真のとおり外壁(おそらくモルタル)に接着してみる。1つはホワイト、もう1つはブラックである。約1日置いて、どれぐらいの力で剥がれるか確認してみたところ、いつの間にかポロっと剥がれ、下に落ちていた。
壁の汚れは拭き取っていたので、そのせいではない。どうやら外壁の素材によって向き不向きがあるようだ。レンガやコンクリートなどいろいろ試してみたが、平滑なタイルはよく粘着し、それ以外はどうも貼りつきが弱め。何かコツがあるのかもしれないが、外壁についてはあまり過信しないほうがよいのではと感じた。
■商品詳細
商品名:超強力アクリルフォーム両面テープ
価格:110円
原産国:エクストラ多用途のみ日本、他は韓国
材質:アクリルフォーム
商品サイズ:一般材料用とガラス・アクリル用は幅12mm×テープ長1m、エクストラ多用途は幅15mm×テープ長1m、鉄・アルミ・ステンレス用は幅15mm×テープ長1.5m
種類:一般材料用、エクストラ多用途(ホワイト、ブラック)、ガラス・アクリル用、鉄・アルミ・ステンレス用
時間をおかずにすぐ定着する「両面テープ ハイパワー 粗面材料用」
「ボンド」ブランドで有名な接着剤の総合メーカー、コニシ(株)の両面テープ。「粗面」とはザラザラした面のことで、適用素材は「金属・ガラス・コンクリート・発泡スチロール・石材・木材・硬質プラスチック・ゴム」と幅広い。ただし、「屋内用」であり、厳しい暑さ、寒さ、雨にさらされるところは不適となる。
「初期接着力」が大きいともあり、1日置くが前提の「超強力アクリルフォーム両面テープ」と比較して、ここがアドバンテージとなる。
では、究極的な粗面である紙やすり同士を貼り合わせてみよう。
数秒押しつけて剥がそうとするが、かなり力をこめないと剥がれず、看板に偽りなしの性能を発揮した。
ただし、絶対に剥がれないわけではない。力任せにやれば?がれるが、もともと市販の両面テープは、耐荷重でせいぜい数百g程度。それ以上の荷重がかかる場合、接着剤を使うべきだろう。
■商品詳細
商品名:両面テープ ハイパワー 粗面材料用
価格:110円
原産国:日本
材質:ポリエチレン発泡体、アクリル系粘着剤
商品サイズ:幅15mm×テープ長1.5m
種類:-
布を使う手芸には最適な「布に使える強力両面テープ」
その名のとおり、布を貼り合わせることができる両面テープ。布は、綿のような自然素材だけでなく、ポリエステルやナイロンといった合成繊維もOK。また、布同士だけでなく、布と紙、布とプラスチックなどとの貼り付けも可能で、手芸・ハンドメイドで重宝できそうだ。
ほかと違って、テープカッターのついたホルダーに収納されており、周囲には10~90 mmの目盛りがあって、10mm単位でカットできて便利。
初期接着力はかなりあり、綿と合繊で貼ってみたところ、十数秒でしっかりと固着していることが確認できた。
■商品詳細
商品名:布に使える強力両面テープ
価格:110円
原産国:韓国
材質:セルロース、アクリル系粘着剤
商品サイズ:幅15mm×テープ長4m
種類:-