パナソニック株式会社 空質空調社(以下、パナソニック 空質空調社)は、2024年7月12日~7月15日の4日間、全国の最近1年以内にホテル・旅館に宿泊した20歳~69歳の男女を対象に、「宿泊施設とニオイに関する意識・実態調査2024」を実施。結果をグラフにまとめて発表した。
今回は清潔な印象が求められる空間のニオイトラブルに、高い脱臭効果(※1)を発揮する「ジアイーノ」を展開するパナソニック 空質空調社として、宿泊者が意外と気にしているニオイの課題に焦点をあて、顧客満足度やリピート率にも影響する宿泊施設のニオイ課題について実態を調査したものだ。
※1「ジアイーノ」の脱臭効果は、周囲環境(温度・湿度)、運転時間、臭気によって異なります。
ホテル・旅館宿泊時に経験した、衛生・快適性に関する“あるある”
はじめに、全回答者(1000名)に、ホテルや旅館に泊まった際に経験したことがある衛生・快適性に関する事柄を聞いたところ、「シャワーの水圧が弱い」(42.8%)が最も高くなり、「ドライヤーの風圧が弱い」(33.2%)、「使い終わったタオルの置き場所に困る」(30.2%)、「スイッチがたくさんあり付けたいライトのスイッチがわからない」(28.7%)が続いた。
また、「部屋に入ったらまずは部屋の清潔さをチェックする」(26.1%)、「大浴場の脱衣所の床がビチャビチャでテンションが下がる」(25.2%)、「天井のシミが気になる」(18.7%)といった衛生状態に関する回答や、「共用トイレのニオイが気になって使うのをやめる」(14.2%)、「部屋食後に料理のニオイが気になる」(7.5%)といった共用施設・客室のニオイに関する回答もみられた。
衛生状態やニオイが気になり、快適な滞在が叶わなかった経験がある人は少なくないようだ。宿泊施設の運営では、宿泊者をがっかりさせることなく、宿泊・滞在の満足度を高めるため、衛生面の細やかな管理やニオイ対策の徹底が有効だと考えられる。
■“こんなホテル・旅館には泊まりたくない”と思う客室の衛生面の特徴
全回答者(1000名)に、“こんなホテル・旅館には泊まりたくない”と思う客室の衛生面の特徴を聞いたところ、「部屋がにおう」(78.2%)が最も高くなり、客室内のニオイが原因で宿泊・滞在の満足度が下がったという経験がうかがい知れる結果となった。宿泊施設選びでは客室内の不快なニオイが、大きなマイナスポイントとなるようだ。
次いで高くなったのは、「寝具がジメッとしている」(72.0%)、「テーブル・机にホコリがかぶっている」(67.3%)、「エアコンの吹出口にホコリが溜まっている」(65.7%)、「備え付けのコップがくもっている」(63.4%)だった。
年代別にみると、60代では「部屋がにおう」が90.5%となり、60代の9割以上がニオイのするホテル・旅館の部屋に宿泊したくないと考えていることが判明。客室内の快適性を高く保ち、不快なニオイを感じさせないことが、旅慣れたシニア層のハートをしっかり掴み、再び宿泊先として選ばれるポイントの一つとなるのでは。
75%が「ホテル・旅館の客室でニオイが気になったことがある」
全回答者(1000名)に、これまでに、ホテル・旅館の客室でニオイが気になったことがあるか聞いたところ、「気になったことがある」は74.6%、「気になったことがない」は25.4%となった。衛生面の管理や快適性の維持のため大多数の宿泊施設が清掃業務に日々注力するも、宿泊者の大半は客室内における不快なニオイを経験しているという実状が明らかになったと言えるだろう。
また、宿泊施設においてニオイの発生原因は様々かつ無数にあるためその対策も多岐にわたる。全ての宿泊者が心地よく快適に滞在できる空間を維持するための、客室内のニオイ対策の難しさが推察できる結果となった。
■ホテル・旅館で気になったことがあるニオイは部屋とトイレ・浴室共に1位は「カビ臭」
ホテル・旅館の客室でニオイが気になったことがある人(746名)に、これまでに、ホテル・旅館の客室で気になったことがあるニオイを聞いたところ、【部屋(トイレ・浴室除く)】については「カビ臭」(59.7%)が最も高くなり、「ホコリっぽいニオイ」(48.9%)、「建材のニオイ」(17.4%)が続いた。
【トイレ・浴室】については「カビ臭」(46.5%)が最も高く、以下「排水・下水のニオイ」(42.4%)、「シャワーカーテンの生乾き臭」(33.5%)の順となった。部屋や水回りのカビ臭さが気になったという人が多いようだ。
■「部屋のニオイが宿泊施設の満足度に影響する」89%、「トイレのニオイが宿泊施設の満足度に影響する」90%
全回答者(1000名)に、宿泊施設のニオイについて、宿泊施設の満足度にどのくらい影響するか聞いた。
結果は【部屋のニオイ(トイレ・浴室除く)】では、「非常に影響する」が58.4%、「やや影響する」が30.5%で、合計した『影響する(計)』は88.9%、「全く影響しない」が1.2%、「あまり影響しない」が2.6%で、合計した『影響しない(計)』は3.8%、「どちらともいえない」は7.3%だった。
大多数の人が、部屋のニオイによって宿泊施設の満足度が低下すると考えているようだ。
客室内の設備についてみると、ニオイが満足度に『影響する(計)』と回答した人の割合は、【寝具のニオイ】では89.0%、【トイレのニオイ】では89.8%、【浴室のニオイ】では88.8%、【クローゼット・押入れのニオイ】では75.6%となった。
準備された寝具やそれらが収納される押入れ、入室後すぐに使うクローゼット、宿泊者が何度も使うトイレや浴室など、いずれにおいても大多数の人が満足度に影響すると実感していることがわかる。
年代別にみると、『影響する(計)』と回答した人の割合は、いずれのニオイにおいても年代が上がるほど高くなる傾向がみられ、60代では【部屋のニオイ(トイレ・浴室除く)】は95.5%、【寝具のニオイ】は98.0%、【トイレのニオイ】は97.5%、【浴室のニオイ】は96.5%となった。
いずれのニオイにおいても、宿泊施設の満足度に影響を与えると思う人が全世代で多数を占めており、宿泊施設にとって、客室や水回りのニオイを除去し高い快適性を保つことは、宿泊者の満足度を高めリピートを促すための必須条件といえるのではないか。
“ニオイ対策”がしっかりされている客室には、何もされていない客室よりいくら多く支払ってもいいと思うか
全回答者(1,000名)に、“ニオイ対策”がしっかりされている客室には、何もされていない客室よりいくら多く支払ってもいいと思うか(1人1泊あたり)聞いたところ、「1000円~3000円未満」(35.4%)に回答が集まった。