副業人材マッチングサービス『lotsful』を展開するパーソルグループのパーソルイノベーション株式会社 lotsful Companyは、副業に関する定点調査を四半期ごとに実施している。
そんな同社から2024年8月に実施した調査結果に関するリリースが到着したので、概要をお伝えする。
副業経験者・副業意向者ともに減少傾向
副業経験者の推移を見ると、「実施した」の回答者率は35.0%となり、前回調査(2024年5月)に続き減少した。副業意向の推移を見ると、「実施するつもりだ」の回答者率は46.4%まで減少しており、2022年5月に次ぐ低い回答率となった。
一方で、男女年代別で見ると、20代男性の副業意向は、前回調査の19.4%から22.5%に伸長しており、前年同月比で見ても1.3%増加している。また、30代~40代女性の副業意向も前回より回復傾向にあった。
■副業実施理由で「副業をしないと生活が成り立たない」が過去最多
「副業を実施した理由」の推移を見ると、最も多かった回答は「自由に使えるお金を増やしたい」が43.3%で、引き続きトップである中、今回の調査では「副業をしないと生活が成り立たない」との回答が24.7%、「所属企業が副業を推奨・容認しており副業しやすい」との回答が17.7%となり、それぞれ過去最多となった。
■副業を行なわない理由は「本業が忙しい」が24.3%
「副業を実施しなかった理由」の推移では、引き続き、「本業が忙しい」が24.3%で最多回答となった。加えて、今回の調査では「スキル不足や本業との両立に不安がある」との回答が11.5%、「周囲から副業は大変だと聞いた」との回答が6.5%となり、過去最多となっている。
既婚シングルインカム世帯の58.5%は副業を実施
直近半年間の副業実施者をライフスタイル別で見ると、既婚者は37.9%、子持ち世帯は42.3%が直近半年の間に副業を行なっており、いずれも全体の35.0%よりも高い傾向にあった。
さらに、世帯収入の状況別で比較すると、既婚で共働き(ダブルインカム)の副業実施率が41.2%、既婚で片働き(シングルインカム)の副業実施率が58.5%となり、同じ既婚者でも、シングルインカム世帯の方がより積極的に副業を実施していることがわかった。
■既婚と子育て世帯では、副業意欲が全体より高い傾向
今後半年間の副業意向も、副業実施状況と類似する傾向にあり、今後半年の間に「副業を実施するつもりだ」と回答した人をライフスタイル別で見ると、既婚者、子供ありの回答者で副業意欲が全体よりも高い結果となった。
また、世帯状況別でも同様に、既婚シングルインカム世帯の副業意向が、63.1%で最多となっている。
■ライフスタイル別の副業意向理由
今後半年の間に「副業意向がある」との回答者の理由をライフスタイル別でみると、「副業をしないと生活が成り立たない」の回答率が最も高いのは、未婚者の27.3%であり、既婚シングルインカム世帯でも26.8%と全体よりもやや高い傾向にあった。
また、「自由に使えるお金を増やしたい」の回答率が最も高いのは独身シングルインカム世帯の59.3%だった。
2024年5月に実施した定点調査では、副業経験者の8割以上が物価の上昇を感じていると回答しており、賃上げ実感と副業実施状況の関連では、給与が上がっても4割以上が副業を実施したというデータも出ている。
ライフステージごとに生活費、養育費、娯楽費などお金の使い道に違いはあれど、物価上昇などの経済環境の変化を背景に、収入アップを目的とする副業希望者は、今後も増加することが見込まれる。
調査概要
調査手法/インターネット調査(Fastask)
調査対象/全国の企業に勤める会社員で20~40歳代の男女
調査期間/024年7月31日~8月9日
対象人数/656人
関連情報
https://persol-innovation.co.jp/
構成/清水眞希