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介護業界のインフルエンサー・たっつんに聞くプロの介護術

2024.10.01

2025年、75歳以上の人口は全人口の18%となり、2040年には65歳以上の人口は全人口の35%にのぼると推計されている。

そして要介護認定者数は2040年頃にピークをむかえ、988万人になると経済産業省が発表している。

参考:https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2022FY/000171.pdf

@DIME読者の中にも家族の介護を行なっていたり、親や配偶者が要介護状態の方も少なくないかもしれない。

筆者も現在実家に戻り、父親の世話をしている。日常生活のほとんどを自分で行うことが困難な要介護ではなく、部分的に介助を必要とする要支援の段階なのだが、自分が居なければ家事や入浴、通院などができないため、実家での生活がここ数ヶ月続いている。

そんな時、SNSで目に止まったのが、介護士歴19年で現在管理職ながら現場に立つ、たっつんさん(@tattsun_cw)の投稿だった。

介護士としてのリアルな現場エピソードから、在宅介護、認知症の方への対応など介護の様々な情報やちょっとしたコツを発信し、多くの共感を得ている。

そして、自分も助けられ、心の支えになっている。

今回、介護士のたっつんさんに取材を試みた。多忙の中、介護の生々しいエピソードを始め、介護の極意を聞いた。

――現在、たっつんさんが働いている施設について教えてください。

「私が介護部長を務める特別養護老人ホームには60代~90代の方が入居されています。ご自身である程度、生活全般のことができる方もおられれば、寝たきりで全てにおいてお手伝いが必要な方もいらっしゃいます」

そもそも、たっつんさんは29歳で介護職に就いた。介護の仕事を始めた理由をこう語る。

「おばあちゃんとずっと同居してきて、高齢者と接することに慣れてるだろうから介護の仕事に向いてるんじゃないか?と知人に言われたのがきっかけです」

当初は自分自身の引き出しが少なく、認知症の方の不可解な行動への対応に苦労したというが、長年の努力と経験、そして仲間と協力して物事を達成する喜びを実感し、やりがいを感じるようになってきたという。

そんな、たっつんさんが仕事をする上で大切にしていること。それは…

「『自分がされたら嫌なことはしない』という大前提をきっちり守ることを大切にしています。こだわりは、「こだわりを作らない」ということです。柔軟な対応ができなくなりますから。ですので、仕事をする上でのルールは特に作っていません」

こんな時どうする?プロが教える介護術

介護のプロであり、かつて認知症の祖母をサポートするため在宅介護も経験したことのあるたっつんさんに、介護士ならではの介護術を聞いた。

Q:介護でイライラしてしまった時の対処法は?

「その後に控えている自分の仕事を「その日はしない」と諦めてしまうことです。そうすることで、焦らずイライラせずに目の前の方の対応ができるからです」

Q:身近に助けてくれる人がいない場合に連絡すべきところは?

「地域包括支援センターや役所の高齢福祉課が基本ですが、街の老人ホームの窓口とかでも相談には乗ってくれます。また、在宅介護で仕事もままならなくなった場合も包括センターなどに相談してほしいです。きっと改善策をご提案くださると思います」

※地域包括支援センターとは…
その地域に住む高齢者の健康に関する相談から、介護、金銭的な問題など生活全般に関して高齢者および高齢者を支える方々が利用できる総合相談窓口。各市区町村に設置されており、保健師・社会福祉士・主任ケアマネジャーなど専門スタッフが配置されている。ほとんどの自治体では無料で利用できる。

Q:ホスピス、緩和ケアの施設で暮らす終末期の家族にはどのように接すればいい?

「普段と変わらずでいいと思います。ホスピス・緩和ケアにおられる方のご家族さんですから、入院・入居されている方の最期をゆっくりと覚悟なさっていく道中だと思います。変な “なぐさめ” とかよりも、お話を聞いて差し上げたり、同調する姿勢でいいんじゃないでしょうか」

Q:認知症患者の対応で大事なことは?

「認知症があろうとなかろうと、人と人とが関わる中でお相手の方のことを尊重するというのは当たり前だと思います。その当たり前を忘れないということじゃないでしょうか」

Q:「介護初心者」に伝えたいことは?

「あくまで『ご自身の人生が最優先』という気持ちを持っていてほしいです。しんどくなってくる前に地域の福祉サービスについて調べ、使えることを知っておくだけでも気の持ちようが全然違うと思います。「自分ひとりで抱えず、誰かを頼る」ということを大事にしてください」

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