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新しい推し活のカタチ!?HTCのハイエンドVRヘッドセット「VIVE Focus Vision」で感じたXRの可能性

2024.09.30

スマホをはじめとするデジタルデバイスを展開するHTC NIPPONは、ハイエンドXRヘッドセットであるVIVE Focus Visionを発表。執筆時点で予約を開始しており、発売は2024年10月18日となる。

XRヘッドセットといえば、PlayStation VRのようにゲーム機能に強いものから、Apple Vision Proのような多機能デバイスまで、その種類は多岐にわたる一方で、対応コンテンツの種類などから、十分に楽しみきれないのではないかと不安に思う人もいるだろう。

VIVE Focus Visionも、コンシューマーエディションが16万9000円と、決して安価とはいえない販売価格であるため、なかなか気軽に手を出せるデバイスではないかもしれない。ところが実際に試してみると、なかなか興味深い使い方が用意されている。

PC接続、スタンドアローンの両方に対応

VIVE Focus Visionは、PCと接続してさまざまなコンテンツが楽しめるのに加え、スタンドアローンでも駆動する。これまでのシリーズでは、PC接続、スタンドアローン型にそれぞれ製品が分かれていたが、今回統合された形となる。

PCとの接続時には、USB-C経由でのDisplayPortストリーミングモードが利用でき、通常はデータの圧縮をすることで、画質が落ちてしまうところ、高解像度な映像がそのまま楽しめる。また、本モードでは、120Hzリフレッシュレーとの表示も、2024年中に対応予定となっている。

自動IPD(瞳孔間距離)調節機能も有しており、ユーザーに合わせて、迅速な初期設定ができるようになっている。家族、友人とシェアして使う際にも、快適に利用を開始できるのが特徴だ。

また、前面にはデュアル16MPカラーカメラが搭載されており、手のトラッキング機能を実現する。深度センサー、赤外線センサーも備えており、暗い場所でも、しっかりと手の位置、動きを認識できる。

ディスプレイは片目当たり2448×2448。両目で合わせて5K解像度となる。そのほか、スピーカー、マイクに加え、3.5mmオーディオジャックも備える。チップセットはSnapdragon XR2で、メモリ12GB、ストレージ128GBとなる。

国際宇宙ステーションにも持ち込まれる安心設計。着け心地も抜群

HTCのヘッドセットは、世界で初めて国際宇宙ステーションに持ち込まれ、無重力環境でも使われている。それだけ、安全性や安定性に優れているというわけだ。今回のVIVE Focus Visionも、マグネシウム合金フレーム、メタルループを使った、堅牢ボディとなっている。

装着は、本体背面にあるダイヤルを回し、頭にフィットするように調節する。実際に試したところ、1人での装着にはやや慣れが必要だが、ダイヤル被ってひねるだけ、という操作なので、迷う心配はほぼない。

顔に接触する部分はクッションになっているため、デバイス特有のごつごつ感はほとんど感じられない。クッションは着脱式になっているため、取り外して洗うことも可能だ。また、メガネをつけたままでも装着できるのも、大きなポイントだろう。

バッテリーも着脱式になっており、連続駆動時間は最大2時間となる。デバイスの形状的な問題もあり、バッテリーの持続時間自体まだまだ短いものの、VIVE Focus Visionは、最大20分間のスタンバイができる予備バッテリーを搭載することで、ホットスワップに対応している。

XR世界を楽しめるコンテンツも続々と登場

冒頭でも触れた通り、VIVE Focus VisionのようなXRデバイスは、対応コンテンツの拡充が重要になる。製品発表会では、面白い使い方も紹介されていたので、いくつか紹介していこう。

VIVE Focus Visionは、完全に仮想現実世界に没入するVRゲームに加え、現実世界に仮想コンテンツを重ねて表示するARの両方が楽しめるのが特徴。スタンドアローンだけでなく、PCとの接続もできるため、多くのVR、ARコンテンツが楽しめるようになっている。

別売りのフェイシャルトラッカーを装着すれば、動きだけでなく、口元の動き、表情などをアバターに投影することもできる。仮想現実世界にいる自分のアバターを、かなり自由にコントロールできるのも特徴だ。

個人的に興味深かったのが、VTuberといった2次元のアイドル的存在に、VIVE Focus Visionを着けて会うことができるデモンストレーション。実際に目の前にVTuberが立っているように見えるのに加え、内蔵マイク、スピーカーで会話もできる。うまく広まれば、“擬似握手会”のような新しいイベントが広まる可能性も感じられた。

もちろん、XRデバイスは法人向けにも利用されており、航空宇宙やヘルスケア、教育といったさまざまな現場にて活用されている。個人向け、法人向けにXRデバイスが広がり、よりユニークなコンテンツの登場や、イベントでの使用に、今後も期待したい。

取材・文/佐藤文彦

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