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時短料理やずぼら飯が全盛の時代に調理に1時間以上かかるカレーキットを申し込んでみた

2024.09.28

猛暑のある日、郵便受けにカレーのチラシが入っていた。飲食店や宅配のPRではなく、カレーを作るための各種スパイスが入ったお試しカレーキットが無料だという。僕は時間が有り余るリタイアの身ゆえ、時々素人料理をする。カレーは作ったことがないが、作るなら本格インドカレーをと常々思っていた。しかし“本格”となれば、スパイスをいろいろ使うことになる。揃えるのは面倒だし、揃えたところでそうそう頻繁に作るはずもないので余ること必至だ。そんな僕には魅力的なカレーキットだが、本格的なものが郵便受けにチラシかつ無料とは何やら怪しい気がする。だがチラシはいい紙を使っているし、印刷も綺麗だ。真っ当なプロモーションかもしれないと思い、チラシを捨てることはなかった。

時短料理、ずぼら飯が全盛の時代だが…

数日後、暇に任せてその事業主体たる「SPICE IN THE HOUSE」を検索する。チラシ同様、画像もデザインも綺麗なサイトだ。サイト内のAbout Usを読むと、齢(よわい)67歳という高齢者ながら感動してしまった。内容を簡単にまとめると、“食品メーカー勤務の事業主は、大手メーカーの食品開発テーマ「時短簡便」に疑問を持つ。市場のニーズには合うかもしれないが、その前提には料理は簡単に済ませたいものという認識があるのでは。これでは料理は時間をかける価値のないものとなり、衰退してしまう。そんな悲しい未来ではなく、面白い食の未来を目指したい。そのために料理好きを増やしたく、そのキッカケとしてカレーキットを提案する。お店でなければできないような本格的なスパイスカレーを初心者がストレスなく作ることによって自信を持ち、料理好きになってもらいたい”となる。

“面白い食=料理”の妙味は、素人料理人ながら僕にもよくわかる。趣味の釣りでゲットした魚は長らく新鮮な刺身こそ一番としてきたが、ここ数年は塩焼き、干物、煮付けと調理の幅を広げてきた。特にこの初夏にトライした鬼カサゴの炊き込みご飯、自称“鬼飯(おにめし)”は世間であまり知られていない料理だ。良型は刺身で食べて、そのアラを長時間煮込んでダシをとる。そのダシ汁、米、小型の鬼の身で炊き上げる“鬼飯”は、素材が超高級魚だけに3つ星店の鯛飯より美味しいと大言壮語したい。これぞ我が“面白い食”だ。

良型鬼カサゴのアラのダシ汁で、小鬼の身とお米を炊き込む。

推定ほとんどの日本人が食べたことがない絶品料理、鬼飯。

早速申し込んでみた

“面白い食”、チラシを怪しんだ自分が恥ずかしくなるくらい共感を覚える意気込みだ。早速無料キットを申し込む。価格は税込1398円だが、LINEで友達登録すれば無料で送料もかからない。届いたキットは外箱も4種類のスパイスも洗練されたパッケージで、5種類のカレーの写真は美しく、レシピのレイアウトも見やすい。チキンカレー、バターチキンカレー、キーマカレー、ポークヴィンダルーカレー、スープカレーの中から、チキンカレーを作ることにした。

外箱と5種類のカレーの写真。

5種類のレシピ。

チキンカレーのレシピ。

チキンカレーのレシピには工程が1から10まであり、どれも読めば僕でもわかり調理法も難しくない。材料に生姜2かけとある。これまで作った料理のレシピにも1かけとか2かけという表現があり、かけとはどのくらいかと思いつつ適当にやってきた。このレシピには2かけ(約20g)(生姜1かけは親指の第一関節くらいの大きさ)と表記され、1かけ=約10gと初めて知った。三温糖なる材料にも三温糖(砂糖)とあるので、三温糖が何かわからなくても砂糖を使えばいい。鶏もも肉400gとあるが、スーパーでちょうど400gは売っていない。全く料理をしない現役時代はこれだけで引いてしまったが、今は420gでも380gでも概ね同じという認識なので問題ない。ただし4cm角切には困った。包丁で初めて鶏もも肉を切ったが、とても4cmには切れない。角切とは正方形にするのだろうと思い試みるが、1辺3~6cmほどの不揃い切にしかならない。だが味ではなく見栄えとしての4cm角切だろうと、気にしないことにした。

400gカットトマト缶の裏。

一番悩んだ材料が、カットトマト缶200gだ。画像のように缶の表記は、固形量240g内容総量400gだ。固形トマトが240g、トマトピューレーが160gと推察する。するとレシピの200gはどう捉えればいいのか? 固形:ピューレー=6:4だ。ならば缶から固形120g、ピューレー80gを取り出して200gとするのだろうか? そんな面倒なわけはないと思い、(1)200gとは固形トマトのことで鶏もも肉をおよそ400gとしたのだから、固形トマトもおよそ200g=240g全て使ってもいいだろう、(2)工程4に“トマト缶を加え、3分ほど水分を飛ばすように中火で炒める”とあるので、ピューレー160gの水分は熱で飛ぶのだろうから全て使っていいと判断し、1缶丸ごと使用した。材料には、カットトマト缶(内容総量400g)1缶と書いてくれればわかりやすいのにな……。

レシピに従い迷うことなく80分調理して出来上がったチキンカレー、その美味しいこと。これぞ本格カレー、手前味噌ながら専門店の味に劣らない。4cm角切ではない鶏もも肉も味に問題なし。この本格ぶりには妻も驚いた。レシピに2~3人前とあるカレーキット1398円+鶏もも肉他材料費で、コストは2000円くらいか? 1人前約1000円なら専門店価格と大差ないかもしれないが、調理時間80分の作る楽しさが加わる。さらに本格カレーを自ら作って美味しく味わった自己満足もプラス。まさに料理が好きななるキッカケだ。

この無料キットは、いわばサブスクリプション加入への導線だろう。サブスク料金は月1696円(送料込)。1~5回目はビギナー・クラスで、毎月1回無料キットと同じカレーキットが送られてくる。6回目からはエキスパート・クラスとなり、月替わりの限定カレーレシピと世界の料理が作れるスパイスキットが追加されるという。途中解約もできるので、飽きたり面倒になったらやめればいい。迷わず、サブスクを申し込んだ。

後編に続く

文/斎藤好一

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