2024年10月1日から、日本の郵便料金が大幅に改定されます。これは、電子メールやSNSの普及による郵便物需要の減少や、サービス維持・向上のための費用増加などが背景にあります。
家計や企業活動に大きな影響を与えるだけでなく、ビジネスシーンでは料金不足の場合、受取人に迷惑がかかるだけでなく、差出人の信用にも関わる可能性があるため十分に注意が必要です。
事前に新しい料金を確認し、必要な準備をしておくこと、また企業は郵送コストの増加に対応するため、業務効率化やデジタル化などの対策を検討する必要があります。
主な変更点
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定形郵便物
25g以内: 84円 → 110円 (約30%増)
25g超50g以内: 94円 → 110円
はがき
通常はがき: 63円 → 85円 (約35%増)
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速達料金
260円 → 300円
ゆうパックとレターパックも、2024年10月1日から料金が改定されます。
ゆうパック
全国一律の値上げではなく、サイズや距離に応じて料金が変更されます。
レターパック
- レターパックライト: 370円 → 430円 (約16%増)
- レターパックプラス: 520円 → 600円 (約15%増)
※新料金に対応したレターパックは、9月2日から販売されています。
料金変更の詳細は日本郵便のサイトで確認を→ https://www.post.japanpost.jp/send/fee/kokunai/one_two.html
注意点
旧料金の切手・はがきの利用
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- 差額分の切手を追加して利用できます。
- 新料金に対応した切手・はがきは9月2日から販売されています。
料金値上げの影響
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- 企業や個人事業主は、郵送コストの増加に対応する必要があります。
- 大量に郵便物を使う場合は、特に影響が大きくなります。
- 値上げ前に、料金を確認し、必要な切手を準備しておきましょう。
なぜ値上げするのか?
郵便料金値上げの背景には、主に以下の3つの理由があると言われています。
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郵便物数の減少とそれに伴う収益悪化:
- デジタル化の進展: 電子メールやSNSの普及、オンライン請求書の増加などにより、手紙やはがき、紙の請求書などの郵便物の利用が大幅に減少しています。
- 郵便事業の赤字: 郵便物数の減少により、郵便事業の収益が悪化し、2022年度には民営化後初の営業赤字を計上する事態となりました。このままでは、郵便サービスの維持・向上が困難になることが懸念されています。
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コスト増加:
- 燃料費や人件費の高騰: ガソリン価格や電気料金の上昇、人手不足による賃金上昇などにより、郵便物の配達や処理にかかるコストが増加しています。
- 郵便事業の維持・向上のための投資: 郵便サービスの質を維持・向上させるためには、設備投資やシステム改修などが必要となります。これらの費用も、コスト増加の一因となっています。
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ユニバーサルサービスの維持:
- 全国一律料金: 日本では、離島や山間部など、どこに住んでいても同じ料金で郵便サービスを利用できる「ユニバーサルサービス」が提供されています。
- コスト負担の増加: しかし、人口減少や過疎化が進む地域では、郵便物の数が少なく、配達コストが高くなる傾向があります。ユニバーサルサービスを維持するためには、こうしたコストを全体で負担する必要があります。
これらの要因が複合的に影響し、郵便料金の値上げが避けられない状況となっています。今回の値上げは、郵便事業の安定的な運営と、将来にわたって質の高い郵便サービスを提供し続けるために必要な措置と言えるでしょう。
もしも郵便料金が足りない場合はどうなる?
郵便料金が不足している場合、以下のいずれかの対応が取られます。
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差出人への返送:
- 郵便物が差し出し先の郵便局で料金不足と判明した場合、差出人に返送されます。
- この場合、差出人は不足分の切手を貼るか、新しい料金で切手を買い直して再度送る必要があります。
- 返送されるまでに時間がかかるため、重要な郵便物や期限があるものは注意が必要です。
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受取人への請求:
- 郵便物が配達先に到着した時点で料金不足が判明した場合、受取人に不足分の料金が請求されます。
- 受取人は、配達員に不足分を支払うか、受け取りを拒否することができます。
- 受け取りを拒否した場合、郵便物は差出人に返送されます。
10月1日以降の料金不足について
- 10月1日以降は、新料金に対応していない旧料金の切手を貼った郵便物が増えることが予想されます。
- 料金不足の郵便物が増えると、郵便局の業務負担が増加し、配達が遅れる可能性もあります。
- 郵便物を送る際は、料金をしっかりと確認し、不足がないように注意しましょう。
料金変更の詳細は日本郵便のサイトで確認を→ https://www.post.japanpost.jp/send/fee/kokunai/one_two.html
文/相原アイコ