秋は企業の人事異動による転勤があり、引越しの「第二の繁忙期」とも呼ばれる時期だ。
また、住み替えや引越しには事前の準備が必要なため情報収集は2か月前以上前からスタートすることがおすすめといわれ、引越しを検討している人が動き出すのにもピッタリの時期でもある。
だが、LIFULL HOME’S発表のマーケットレポートによると東京23区では20ヶ月連続で前年同月の掲載賃料を上回る上昇基調にあり、毎月の家賃を少しでも抑えることができたらと考える人も多いだろう。
そこでLIFULL HOME’Sでは、家賃を抑えながら都内へのアクセスの良さの両立もできる東京都と隣接する神奈川県、埼玉県、千葉県の間を走る、30以上の鉄道路線に注目。
各路線においてギリギリ都内に位置する“ギリ都内駅”と一駅で都内に行ける“ほぼ都内駅”を「都県境の駅」として家賃相場を調査したので、詳細をお伝えしよう。
東京都-神奈川県:1位は「川崎」で都内駅との差額は2.3万円、TOP5は差額が1万以上
東京都-神奈川県編の1位はJR東海道線「川崎」(家賃相場86,000円)となった。JR東海道線の都県境は、神奈川県川崎市幸区「川崎」と東京都港区「品川」(同109,000円)で、家賃相場の差額は23,000円。
2駅の間隔は11分だが年間の家賃の差は27.6万円にもなり、生活コストの面でメリットが大きい。また、川崎-品川間には京浜東北・根岸線も通っている。
京浜東北・根岸線の都県境は「川崎」と東京都大田区「蒲田」(同95,000円)で、家賃相場の差額は「川崎」が9,000円安かった。
2位は湘南新宿ライン「武蔵小杉」(同88,000円)が獲得。湘南新宿ラインの都県境は、神奈川県中原区「武蔵小杉」と東京都品川区「大崎」(同105,000円)で、家賃相場の差額は17,000円。
湘南新宿ラインのほか、JR埼京線やJR横須賀線など複数路線が利用できる利便性の高い駅だ。加えて周辺には単身向けやファミリー向けのタワーマンションが多いことから、ショッピングセンターなども充実し生活利便性も高い街でもある。
3位はJR横浜線「古淵」(同58,000円)。JR横浜線の都県境は、神奈川県相模原市南区「古淵」と東京都町田市「町田」(同72,000円)で、家賃相場の差額は14,000円。
「古淵」はスーパーやホームセンターなどが豊富で、日常の買い物に困ることはない街だ。「古淵」から電車で約8分の「町田」はJR横浜線のほかに小田急小田原線も利用でき、駅周辺にはデパートや飲食店などが揃う生活利便性が高い街でもある。
普段の買い物は「古淵」周辺で、また休みの日には「町田」へ出掛けるなどメリハリのある暮らしができる。
ランキングでは8駅が神奈川県の駅であることから、東京都-神奈川県の都県境では、神奈川県内の“ほぼ都内駅”のほうが安いと言えそうだ。
東京都-埼玉県:1位は「戸田公園」 都内まで3分“ほぼ都内”なのに都内駅との差額は1.6万円!
東京都-埼玉県編の1位はJR埼京線「戸田公園」(家賃相場69,000円)となった。JR埼京線の都県境は、埼玉県戸田市「戸田公園」と東京都北区「浮間舟渡」(同85,000円)で、家賃相場の差額は16,000円。
荒川を挟んだ2駅の間隔はわずか3分、“ほぼ東京”と言える駅の1つ。また、「戸田公園」はJR埼京線の利用で「池袋」「新宿」「渋谷」などの主要ターミナル駅まで約30分でアクセスが可能な上、家賃を抑えられ生活コストの面でメリットが大きい街だ。
2位はJR東北本線、JR高崎線、湘南新宿ライン「浦和」(同77,000円)となった。これらの沿線における都県境は、埼玉県さいたま市浦和区「浦和」と東京都北区「赤羽」(同88,000円)で、家賃相場の差額は11,000円。
「浦和」は埼玉県内でも有数の規模を誇る駅の1つで、駅周辺は商業施設や飲食店も充実し、日常生活に必要なものが揃っている。また、古くから文教地区として知られ、現在も教育施設も充実。
3位は東京メトロ有楽町線、東京メトロ副都心線、東武東上線「和光市」(同70,000円)となった。
この東京メトロ2線の都県境は、埼玉県内和光市「和光市」と東京都練馬区「地下鉄成増」(同80,000円)、東武東上線の都県境は、「和光市」と東京都練馬区「成増」(同80,000円)で、いずれも家賃相場の差額は10,000円。
ランキングをみると7駅すべてが埼玉県の駅であることから東京都-埼玉県の都県境では、埼玉県の“ほぼ都内駅”のほうが安いと言えそうだ。