きっと何か料理の時に使うだろうと思って買った生鮮食品。しかし、いつの間にか時間が過ぎて、消費期限切れや衛生面の懸念のためやむなく処分……そんな「食品ロス」の経験がある人は、どれくらいいるのだろうか?
国産銘柄鶏「森林どり」を生産販売しているウェルファムフーズはこのほど、消費者庁、農林水産省、環境省が推進する10月の食品ロス月間にあわせ、冷凍食材の利用実態・意識などを把握する目的で、全国の20代から60代の男女600名を対象に「食品ロスと食材ストックに関する意識調査」を実施し、その結果を発表した。
生鮮食品の廃棄経験は7割。消費期限切れや衛生面の懸念が理由
生鮮食品(野菜・果物・肉・魚)を使用せずに、もしくは使いきれずに廃棄した経験について聞いたとところ、70.3%が「はい」と回答した。廃棄の理由については「消費期限が切れてしまったため」(43.9%)、「匂いや見た目の状態が悪くなったため」(32.9%)の順に高い結果に。1家庭あたりの使用できずに捨てた肉の量は月あたり平均274g※、年間で3.2kgという結果となった。
※1か月に廃棄している平均的な肉の量(g)を数字で回答していたいだものの平均値。
生鮮食品(野菜・果物・肉・魚)を使用せずに、もしくは使いきれずに廃棄した経験はありますか。(N=600)
生鮮食品(野菜・果物・肉・魚)を使用せずに、もしくは使いきれずに廃棄した理由(N=422)
約7割が冷凍食材を活用。理由は利便性と長期保存できるから
冷凍食材の果物・野菜・魚・肉(豚・鶏・牛)を購入する頻度について聞いたところ、「毎週月に2~3回」(40.2%)、「月に1回」(16.3%)、「数か月に1回」(11.2%)と、合計で67.7%と多くの人が冷凍食材を活用していることが明らかになった。
その理由を聞いたところ、「色々な料理に使えて便利だから」(53.0%)、「常備しておくことで買い物に行かずに済むため」(45.1%)、「長期保存できるため」(36.9%)という順に高い回答となり、消費期限を気にせずにいつでも様々な料理に活用できる点が評価されていることが明らかになった。
冷凍食材の果物・野菜・魚・肉(豚・鶏・牛)を購入する頻度 (N=600)
冷凍食材の果物・野菜・魚・肉(豚・鶏・牛)を購入する理由 (N=406)
冷凍食材の今後の購入意向は53%。野菜、肉、魚、果物の順に高い結果に
冷凍食材の果物・野菜・魚・肉(豚・鶏・牛)について今後購入していきたいか聞いたところ、「はい」が53.3%となり、「冷凍食材の野菜」(49.7%)、「冷凍食材の肉(豚・鶏・牛)」(47.5%)、「冷凍食材の魚」(45.5%)、「冷凍食材の果物」(41.2%)の順に高い意向が見られた。
冷凍食材の果物・野菜・魚・肉(豚・鶏・牛)について今後購入していきたいと思いますか。 (N=600)
消費生活アドバイザー丸山晴美さんのコメント
「食料品や外食の値上げが続く中、「コスパ」のよい食材を選び、自炊をメインにする節約志向にあります。
また、夫婦共働き世帯の増加で、「タイパ」といった短時間に効率よく、食事作りや買い物をこなすことが求められるため、1週間に1度大容量の食料品などをまとめ買いするといった方法が取られることがあります。まとめ買いのデメリットとして、肉などの生鮮食品の食品ロスが出やすいことが挙げられます。今回の調査では肉のロス平均が274.54g/ 月 3.2kg/年間となり、100g/150円で試算すると、年間約5,000円相当のロスになります。
これら食品ロスの改善には、冷凍食材の活用が有効です。これまで冷凍食材を活用したくても、生鮮食品に品質が劣るイメージもありなかなか浸透してきませんでしたが、急速冷凍の技術なども広がり生鮮食品に劣らない高品質な冷凍食品がスーパーなどでも手に入るようになってきています。
今回の調査でも多くの方が冷凍食品の活用をしており、今後購入意向を示していることが調査で明らかになりました。味わいや品質が劣りにくく、生の肉に比べて長期保存ができる冷凍食材が出てくることで各家庭の食材ストックの活用が進むと考えています。 「食材ストックのパフォーマンス(=ストパ)」をあげていくことで結果的に食品ロス削減や節約のメリットにも繋がるため、各家庭でも積極的に「ストパ」の向上に取り組んでいけるといいですね」
【プロフィール】丸山晴美氏 消費生活アドバイザー 節約アドバイザー
22歳の時に節約に目覚め、1人暮らしをしながらも1年で200万円を貯め、26歳で住宅を購入した経験がメディアに取り上げられ、2001年節約アドバイザーとして独立。食費や通信費など身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを執筆、監修している。
主な取得資格 ファイナンシャルプランナー(AFP)FP技能士2級 消費生活アドバイザー 宅地建物取引士(登録) 認定心理士 調理師など
ゆとりうむプロジェクト理事 https://yutorium.jp/
主な書著・監修書
「節約家計ノート2025」(東京新聞)
「お金を活かす ハッピーエンディングノート」(東京新聞)
steady.特別編集「知識ゼロでもまるっとわかるお金の基本」(宝島社)など多数
<調査概要>
調査主体 :株式会社ウェルファムフーズ
調査名 :食品ロスと食材ストックに関する意識調査
実施時期 :2024 年8月10日・11日
調査方法 :インターネット調査
調査対象 :全国の20代から60代の男女600名
構成/こじへい