高齢化が急速に進行する日本では、高齢者増加に関する問題が社会課題となっている。
内閣府の「令和5年版高齢社会白書」によると、日本の65歳以上の人口は2045年頃にピークとなる約3,945万人に達し、その後は減少に転じつつも、2070年に65歳以上の人口は総人口の38.7%に達すると予測されている。
さらに、2024年には1971-74年頃生まれの団塊ジュニア世代が全て50代を迎えることで、50歳以上の人口が5割を超え、フィフティーフィフティー時代を迎える史上初の国となると言われている。
こうした社会背景から、病院や施設に入る際の手続きや、葬儀、遺品整理など、高齢化社会に対する新たな支援制度も検討されているようだ。
また、生前の健康なうちに相続や医療・介護方針を決めておく「終活」の認知が急速に拡大し、老後への備えに対する意識も高まっていることが予想される。
出典: 内閣府「令和5年版高齢社会白書
そこでミンテルジャパンは、今月発刊したミンテルジャパンレポート「シニアのライフスタイル 2024年」の中で、日本における高齢化の現状と終活トレンドについて明らかにした。
日本では、40歳以上の約7割が終活準備の重要性を実感
ミンテルが2024年2月に実施した「終活の準備」に関する調査では、40歳以上の男性で6割以上、女性の場合は8割以上が「終活を準備することは大切だ」と回答した。人生を充実させることと同様に、終活の準備に対しても重要性が高いことが推測できる。
また、世帯年収ごとに見ても、年収300万円未満から1000万円以上まで、およそ8割の消費者が終活の準備は重要と回答していることから、終活への関心は経済力に関わらず、多くの消費者の関心を集めていることが明らかに。
アメリカやイギリスなどの消費者を対象とした「エステートプランニング(生前に各種の委任状や遺言などの書類を準備すること)」についての調査では、アメリカの消費者で55歳以上の55%が、「葬儀費用を賄うために個人保険に加入した」と回答し、65歳以上の73%が、「家族は自分の重要な書類の保管場所を知っている」と回答したことから、世界的にも終活への意識が高まっているようだ。
また、イギリスの消費者65歳以上の35%が、「(従来の葬儀ではなく)お別れ会が好ましい」と回答し、終活への意識が高いことが分かる。