帝国データバンクは、生鮮食品などの値上げを加味した食卓への影響度を示す「カレーライス物価指数」を独自に試算。2024年7月度の結果をグラフと図表にまとめて発表した。
この指数は総務省「小売物価統計」から、カレーライスの具材となるじゃがいもなどの材料や、電気・ガス代など水道光熱費の全国平均価格を基に、それぞれの分量や各調理工程の分あたりエネルギー使用量を配分して、算出したものだ。
300円台は12か月連続、2023年7月(298円)から44円の大幅上昇
家庭の食卓で人気のメニュー「カレーライス」の調理費用で、過去最高値を更新する値上がりが続いている。カレーライス1食当たりのトータルコストを示す「カレーライス物価」は、2024年7月では342円となり、単月では2015年以降の10年間で最高値を更新した。
300円台となるのは2023年8月以降、12か月連続。1年前の2023年7月(298円)から44円の大幅上昇となっている。
カレーライス物価を構成する費用の内訳をみると、最も費用が高いのが全体の約6割を占める「カレー具材(肉・野菜)」で、前年同月から28円増の211円だった。輸入牛肉の価格上昇が続いていることに加え、ジャガイモを中心に野菜類の価格が高値圏で推移したことが影響した。
また、7月は「ごはん(ライス)」価格の値上がりが目立った。ライスの1食当たり費用は101円と前年同月(87円)から14円増加し、過去10年で最高値となった。「カレールー」(24円→25円)、炊飯器での炊飯やガス調理などの「水道光熱費」(4円、変化なし)では、前年同月から大幅な変化はなかった。
カレーライス物価を基に、2020年平均を100とした独自算出の「カレーライス物価指数」をみると、2024年7月の指数は124.8、前年同月比では14.7%上昇となっており、14か月連続のプラスとなった。
ちなみに10%を超える上昇幅は2015年以降の10年間で初めてとなり、急騰ぶりが鮮明となっている。
■8月のカレーライス物価も最高値更新、1食350円突破の可能性
東京都区部の物価動向を基に予想した8月のカレーライス物価は、1食350円を超える見通しとなった。
農林水産省が発表した9月分の野菜価格動向については、ジャガイモ(バレイショ)とタマネギが「平年を上回って推移」となった。ニンジンでは値下がりが予想される点が好材料となるものの、ジャガイモ・タマネギは記録的高値が見込まれる。
また、コメ価格の落ち着きは数か月先になるとみられ、カレーライス物価は当面の間値上がり局面が続き、9月も最高値を更新するなど高値圏での推移が予想される。
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https://www.tdb.co.jp/report/index.html
構成/清水眞希