各ミニバンのラゲッジルームの寸法をチェック
●トヨタ・アルファード&ヴェルファイア
開口部地上高620mm
奥行き180mm~560mm(3列目席前端スライド時)
幅1310mm
高さ1180mm
床下収納 3分割、深さ250mm
●ホンダ・オデッセイ
開口部地上高515mm
奥行き550-1210mm(3列目席格納時)
幅1220mm
高さ1120mm
床下収納 なし
●デリカD:5
開口部地上高620mm/段差なし
奥行き160mm(3列目席格納時1200mm)
幅890mm~1250mm
高さ1135mm
床下収納なし
●ホンダ・ステップワゴン
開口部地上高445mm/段差190mm 3列目席床下格納時500mm/段差なし
奥行き440mm~1550mm(3列目席前端スライド時)
幅1220mm
高さ1290mm
床下格納 なし(3列目席床下格納方式ゆえ)
●トヨタ・ノア&ヴォクシー
開口部地上高500mm/段差なし
奥行き410mm(3列目席格納時900mm)
幅1280mm
高さ1220mm
床下格納 あり140L
●日産セレナ
開口部地上高520mm/段差なし
奥行き360mm(3列目席前端時480mm)
幅1170mm
高さ1220mm
床下格納 フロア全体 深さ230mm
●ホンダ・フリード
開口部地上高460mm/段差なし
奥行き240mm(3列目席格納時990mm)
幅930~970mm
高さ1140mm
床下格納 なし
●トヨタ・シエンタ
開口部地上高505mm/段差なし
奥行き310mm(3列目席格納時860mm)
幅1265mm
高さ1105mm
床下格納 なし
ラゲッジルームの開口部地上高はどれも低く荷物の出し入れ性は合格
ということになる。重い荷物の出し入れ性にかかわる開口部地上高がもっとも低いのはステップワゴンの445mm(段差はある)、続いてフリード460mm、ノア&ヴォクシー500mm、シエンタ505mm、オデッセイ515mm、セレナ520mm、アルヴェルとデリカD:5の620mmとなる。もっとも、世界のステーションワゴンのラゲッジルームの開口部地上高の平均値は620mm前後だから、アルヴェルとデリカD:5でも荷物の出し入れのしやすさは文句なしと言っていい。むしろ低すぎると体を曲げて出し入れすることになりそうだ。
ミニバンはあくまでキャビン、つまり3列シートの居住性が重要であり、ステーションワゴンやSUVとは違い、ラゲッジルームの奥行きは二の次、というパッケージングになる。実際、デリカD:5の3列目席後端スライド時の奥行きは160mmでしかない・・・。3列目席にもゆったりと乗れる3列目席後端時の奥行を短い順に並べると、デリカD:5の160mm、意外にもアルヴェルの180mm、フリード240mm、シエンタ310mm、セレナ360mm、ノア&ヴォクシー410mmと、奥行ではオデッセイ、Mクラスボックス型ミニバンではステップワゴン、ノア&ヴォクシー、セレナの順に奥行きがあることになる。
ペットカートを積むなら幅方向に注目
一方、ペットカートなどを積み込むとすれば、幅方向の余裕が不可欠。斜めにしか積めない幅だと、上にモノを置くわけにはいかず、積載効率が大きく悪化するからだ。その点、アルヴェルの1310mm、ノア&ヴォクシーの1280mm、ステップワゴンとオデッセイの1220mm、セレナの1170mmはまったく文句なし。一体折り畳み式のペットカートの場合、畳んだときの高さは約1000mmだからでもある。
高さ方向については、あまり気にしなくていい・・・というのが、ミニバンを10年間乗ってきた筆者の考え方だ。そもそも高さ方向一杯に荷物を積みこむなんて、後方視界が遮られ、危ないではないか!!(バックモニターはバック時のみ有効だ)
床下収納はないよりもあったほうがいい
そして最後のポイントが、すでに説明した床下格納の有無。ないのは3列目席を床下収納するタイプのステップワゴンとオデッセイ、シエンタである。かつてノア&ヴォクシーの開発責任者に「3列目席を床下に収納するアイデアはなかったのですか?」と聞いたところ、やはり「床下収納の使い勝手は譲れない」ということだった。繰り返しになるが、防災用品や転がりやすい小物、三角表示板などの収納には、床下収納は大いに重宝するのである。
まさか、ラゲッジルームの寸法でクルマ選びをする人はいないと思うが、買ってから「荷物が積みにくい・・・思ったほど積めない・・・」ということにならないよう、参考にしていただきたい。
文/青山尚暉
写真/雪岡直樹 青山尚暉