ボルボがより安全な先進運転支援システムと自動運転機能の展開を促進するプラットフォーム「NVIDIA DRIVE Thor」への移行計画を発表
2024.09.25ボルボの新しい電気自動車「EX90」が、サウスカロライナ州チャールストンの組み立てラインから全米の販売店へと出荷されている。この「EX90」は、将来的な機能向上および先進的な安全装備と機能を顧客が得られるよう、250 TOPS(Tera Operations Per Second)を超える能力を持つNVIDIA DRIVE Orin システムオンチップ(SoC)を搭載している。
NVIDIA DriveOSを実行するこのシステムは、まさに切手サイズのパッケージで、自動車グレードの安全機能を備えた高速処理を実現。このコアコンピューティングアーキテクチャは、安全運転支援機能の実現から自律走行機能の開発支援に至るまで、すべての車両機能に対応しながら、安全で快適なユーザー体験をもたらす。
この最先端のSUVは、車輪のついたインテリジェントなモバイルデバイスともいえるもので、レーダー、LiDAR、カメラ、超音波センサーなど、同社の先進のセンサースイートを搭載。NVIDIA DRIVE Orin は、リアルタイムで冗長性のある高度な360度サラウンドセンサーのデータ処理を可能にし、安全性に対するボルボの揺るぎないコミットメントをサポートする。
DriveOSを実行するDRIVE Thorコンピューターがボルボの次世代車両を駆動
ボルボは、将来を見据え次世代のNVIDIA DRIVE Thorコンピューターに移行する計画であることも発表した。このコンピューターは DriveOSを実行し、将来の車両に搭載される予定となっている。ボルボは、10年以内にNVIDIA DRIVE Thorに移行する予定だ。1,000TOPSを誇るこのSoCは、処理能力をDRIVE Orin SoC 1基の4倍、エネルギー効率を7倍に向上している。
最新のNVIDIA Blackwell GPUアーキテクチャを組み込んだ次世代の自動運転車用プロセッサDRIVE Thorによって、車両の内部および周辺における可能性と能力を新たな領域へと広げることができる。この先進的なプラットフォームは、安全な先進運転支援システム (ADAS)と自動運転機能の展開を促進し、生成AIを活用した新時代の車内体験に向けて道を開く。
ボルボCEOのJim Rowan氏は、同社がNVIDIAの次世代プロセッサに移行することを強調し、次のように述べている。
「将来、当社の車にNVIDIA DRIVE Thorを搭載すれば、製品ラインナップ全体で自社開発のソフトウェアの拡張性が高まり、継続的な車の安全性の向上とクラス最高の顧客体験の提供が可能となり、ひいては利益の向上にもつながるでしょう」