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GoogleがDeepMindの動画生成モデルであるVeoをYouTubeショートに導入

2024.09.24

Googleは米国時間の2024年9月18日に開催された「Made on YouTube」において、クリエイターがYouTubeで使える新機能を発表した。

本稿では同社リリースを元に、その概要をお伝えする。なお、多くの機能について詳細な記述がないため、日本への導入時期は不明、もしくは未定となっている。

動画生成モデルであるVeoをYouTubeショートに導入

昨年は、想像力を使って思いどおりに YouTube ショートの背景を生成できる Dream Screenが発表された(日本には未導入)。

そして、本年はGoogle DeepMindの高性能な動画生成モデルであるVeoがYouTubeショートに導入される。

Veo によって、これまで以上に素晴らしい動画の背景を作成し、これまでは視覚化できなかったコンセプトを形にできるほか、新たにVeo を利用して、独立した 6 秒の動画クリップをショート動画用に生成できるようになる。

たとえば、撮影した映像を確認していて、全体を繋ぐ何かが足りないと感じた場合は、それを埋めるクリップを簡単に生成できるという。

これらの動画には SynthID を使って透かしを入れ、AI で生成されたことを視聴者に明確に伝えるラベルを表示する。

まずは一部の国のテスターに提供される。日本居住のクリエイターへの提供時期などは未定。

■生成 AI を活用したブレインストーミングツールを提供

新鮮で魅力的なアイデアのために、YouTube Studio の「インスピレーション」タブを改良し、生成 AI を活用したブレインストーミングツールを提供。

これによりクリエイターは、キュレートされた提案を元に、自分のスタイルに合った動画のアイディア、タイトル、サムネイル、アウトラインを使ってプロジェクトを完成させることができる。

2025年には、評価の高いコメント、その他の動画、各自のカタログなど、インスピレーションを得たあらゆる場所から「インスピレーション」タブに直接移動できる新しいショートカットが導入される予定だ。

ファンとのつながりを深める

YouTube では、すべてのコンテンツを見逃さずに視聴してくれる特に熱心なファンとの間に特別なつながりが生まれる。YouTube は、このつながりをさらに深めるために、次のような新たな方法を提供していく。

■コメントを超えた交流が生まれるコミュニティ

「Communities」は、ファンや視聴が、クリエイターのチャンネルから直接アクセスできる専用スペースであり、動画について話したり、ファンアートの共有、共通の趣味を持つ人々との交流など、仲間とのつながりを感じられる中心的な場所となる。

現在、「Communities」機能はいくつかのチャンネルで提供されており、今年中により多くのチャンネルに追加されていく予定。日本への導入は未定。

■「ハイプ」機能で注目の新鋭クリエイターにスポットライトを

「ハイプ」は、視聴者が期待をかける新人クリエイターを応援するための新しい機能だ。動画を「ハイプ」することによって、お気に入りのクリエイターを新しい視聴者とつなげることができる。

多くのハイプポイントを獲得した動画は特別なボードに掲載され、発見および認知される可能性が高まる。

この機能はすでにブラジル、トルコ、台湾でテスト中であり、テスト範囲は今後数か月以内に拡大される予定だ。日本への導入は未定。

■自動吹き替えで世界中の視聴者にリーチ

これまで少数のクリエイターを対象に、さまざまな言語に翻訳された音声トラックを生成できる吹き替えツールに関するテストを実施。

今後数か月で、このツールはさらに数十万人のクリエイターに提供される。日本語、スペイン語、ポルトガル語、フランス語、イタリア語など、利用可能になる言語の数も増えるため、コンテンツの視聴者層を世界中でさらに広げることができる。

また現在、少数のクリエイターと協力して、クリエイターの声のトーンやイントネーション、周囲の雰囲気を吹き替え音声に反映させ、より自然に聞こえるようにするための新機能を試験運用中だという。

■「コメント」 タブの刷新

YouTube Studio アプリの「コメント」タブが、ファンとの交流を深める場となる「コミュニティ ハブ」に変更される。

大量のコメントに返信するのは大変な作業になりうるため、AI によってクリエイターのスタイルに合わせた返信文の候補を生成する機能を追加する。

クリエイターは、これらの候補を元に返信文をカスタマイズすることが可能。この機能に加え、コミュニティ スポットライトや視聴者関連の指標などの時短ツールも近日中にリリースされる予定だ。

■「ジュエル」によるギフトの導入

ファンとのリアルタイムのエンゲージメントを促進すると同時に、収益化の新たな方法となる、デジタルアイテム「ジュエル」と「ギフト」が、まず縦型ライブ配信で導入される。

これにより、視聴者によるリアクション、喜びの表現、積極的な参加が促進され、その場の雰囲気が盛り上がるはずだ。日本への導入は未定。

■YouTube ショッピングの提供範囲拡大

YouTube ショッピングの参加クリエイター数は25万を超えている。YouTube ショッピング アフィリエイト プログラムはこれまで米国と韓国のみで利用可能だったが、Shopee とのパートナーシップによってインドネシアにも拡大。

さらに、今後数週間でタイとベトナムにも拡大予定であり、世界のより多くのクリエイターがお気に入りの商品をファンと共有して、ビジネスを成長させることができるようになる。日本への導入は未定。

■テレビ画面での収益獲得を支援

リビングルームが新たに動画が視聴される場になり、大画面視聴を目的としたコンテンツを制作するクリエイターが増えている。

それは数字にも表れており、YouTube 収益の大部分をテレビ画面で獲得しているクリエイターの数は、前年比で 30% 増加しているという。

クリエイターのコンテンツをテレビ画面で視聴しやすくするため、まもなくコンテンツをシーズンやエピソードに整理できるようになる予定だ。それにより、視聴者は見逃せないテレビ画面向けの新規コンテンツを見つけやすくなる。

テレビ画面での視聴に関する改善はほかにも進めてられており、クリエイターのチャンネルからコンテンツを直接再生できるようにし、チャンネル登録や、説明欄のリンクにアクセスしやすくなる。

関連情報
https://youtube-jp.googleblog.com/

構成/清水眞希

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