「自分のスキルリスト」を明確化する
『最短突破 データサイエンティスト検定
(リテラシーレベル)公式リファレンスブック 第3版』
著/菅 由紀子、佐伯 諭、高橋 範光、田中 貴博、大川 遥平、大黒 健一、森谷 和弘、參木 裕之、北川 淳一郎、守谷 昌久、山之下 拓仁、苅部 直知、孝忠 大輔、福本 信吾 技術評論社 2860円
近年、あらゆる業界からの人材ニーズが高く、リスキリングの学習対象としても人気が高い「データサイエンス」分野の資格本から1冊。この本、資格・検定試験の参考書としては非常に独特なつくりの本で、テキストというよりはデータサイエンスに関する各種スキルや知識のリファレンスブックという形式になっています。
必要な知識を本文で長々と説明するような形ではなく、1トピックを各1〜2ページで簡潔にテンポよくまとめており、例えば「平均、中央値、最頻値の算出方法の違いを説明できる」「機械学習の手法を3つ以上知っており、概要を説明できる」「正規化手法(第一正規化~第三正規化)を用いてテーブルを正規化できる」といったスキル項目が200ほど並んでいます。
要するに「データサイエンティストになるためにはどんな知識やスキルを身につけていくべきか」がわかるチェックリストとなっており、何を学ぶべきかの指針が見えてきます。
FPや簿記検定よりも生々しいリアルなマネーのノウハウが学べる
『銀行業務検定試験
個人融資渉外3級問題解説集 2024年6月受験用』
編集/銀行業務検定協会
経済法令研究会 2970円
銀行業務検定はその名のとおり銀行や金融機関の人向けの検定ですが、むしろ金融業界以外の人にこそ受けてみてほしい検定です。というのも、どんな人にも有益なマネー領域の知識について、金融業界の「中の人」の視点からリアルで実践的なノウハウが習得できるからです。
銀行業務検定は様々な種目の試験に細分化されていて、「投資信託3級」「保険販売3級」「年金アドバイザー2級」など、お金にまつわる様々な領域についてピンポイントで専門知識を勉強できるのが特徴。
中には本当に生々しい業界知識が垣間見られる種目もあり、例えば「融資管理3級」では「銀行は企業のどこを見て融資判断をしているか」「返済が滞ったらどう債権回収するのか」がわかったり、「個人融資渉外3級」では個人顧客に対するセールストークの実践例みたいな問題が出たりします。金融機関からお金を借りる際などに有利に交渉や準備ができるので、仕事上でもプライベートでも有益。
ライティング・リスニングももう怖くない!超戦略的勉強法
『東大生が書いた英語試験の攻略本
~TOEIC・TOEFL・英検を最短で突破する勉強法〜』
著/東大カルぺ・ディエム 監修/西岡壱誠
大和書房 1650円
現役東大生たちによる「英語試験の攻略法」に特化した英語勉強ノウハウ本。代表的な英語試験である「TOEIC」「TOEFL」「英検」について、各試験のセクション(リーディング・リスニングなど)ごとの出題の特徴や点を稼ぐためのポイント、おすすめの参考書などを解説してくれています。
決して「頭のいい人が書いた、そういう人にしかできない勉強法」というわけではなく、むしろ普通の中高生が読んでもハラオチしやすい汎用的なTIPS。例えばライティングでは「間違い探し」「わざと誘導する」、リスニングでは「推測・予測力」「全部聞こうとしない」など、考え方やコツさえわかれば誰でも実践できる勉強法や解答テクニックが満載なのです。
「英語ではなく英語試験の攻略本」と潔く割り切って書かれた本ですが、私は全然そんなことはなく英語力を高めたい人全般に有益な内容だと思います。英語学習に行き詰まりを感じている人はぜひ読んでみて。
〈選者〉資格・勉強コンサルタント 鈴木秀明さん
オールアバウト「資格」ガイド。東京大学大学院修了。米国公認会計士、気象予報士、中小企業診断士ほか950以上の資格を取得。著書に『7日間勉強法』『小学生にもとれる!資格・検定カタログ』など。