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使えるか、使えないかが大きな差を生む!AIのビジネス実装に悩むビジネスパーソン必読の本3選

2024.10.07

ChatGPTで明日から生産性を高める仕事術

『ChatGPT時代の文系AI人材になる』『ChatGPT時代の文系AI人材になる』

著/野口竜司 
東洋経済新報社 1760円

「AIなんて自分の仕事には関係ない」と思っている人は、これから5年後には取り残されるかもしれない。今では検索エンジンが日常でも仕事でも必須のツールになっている。同じことが「ChatGPT」でも起こり得る。ただし、ChatGPTを使いこなすにはちょっとしたコツが必要だ。

 ChatGPTを活用できる範囲はかなり広い。情報の収集、整理、分析から計画立案、文章生成、アイデア出し、翻訳、プログラミングまで、人間が行なう知的タスクのほとんどをこなすことができる。今後、こうしたAIツールをいかに使いこなせるかが、文系、理系に関係なく、仕事の必須スキルのひとつになるだろう。

 本書には、ChatGPTの活用事例とともに、プロンプトと呼ばれるAIに対する指示・質問の仕方のコツが紹介されている。数学やプログラミングの知識は不要だ。本書を手に、実際にChatGPTを使ってみると、自分の仕事にどのように使えるかイメージができて、理解が深まるはずだ。

生成AIの仕組みをきちんと理解する

『大規模言語モデルは新たな知能か ChatGPTが変えた世界』『大規模言語モデルは新たな知能か
ChatGPTが変えた世界』

著/岡野原大輔 
岩波書店 1540円

 デジタル技術を理解し、それを業務の課題解決に生かすことができる「デジタル人材」が重宝される時代が来ている。多くの職場で、デジタルと無縁の仕事は少なくなってきており、プログラミングができなくても、きちんとしたIT知識を持っておくことは重要だ。

 本書は、数学やプログラミングの知識がなくても、現在話題となっているChatGPTに利用されている技術の仕組みがわかる解説書だ。これまでのAI技術の基本をふまえながら、最先端の研究内容を知ることができるのだ。

 紹介されている研究内容の中でも、言語モデルの「べき乗則」の発見は驚きである。訓練データとモデルサイズを大きくすればするほど、性能が改善され、これまで解けなかった問題が急に解けるようになったという。つまり、データと計算能力さえあれば、知能が獲得できる可能性が示唆されたというのである。AIの未来を考えるうえでも興味深い内容が満載だ。

人工知能で未来はこうなる!

『AI 2041 人工知能が変える20年後の未来』『AI 2041 人工知能が変える20年後の未来』

著/カイフー・リー(李 開復)、チェン・チウファン(陳 楸帆)
訳/中原尚哉 
文藝春秋 2970円

 未来を知るには、SFを読めばいい。半分冗談に聞こえるかもしれないが、これまでに人間が開発してきた技術は、SFから着想を得たものも多い。

 医療の自動化、自動運転、自律兵器、バーチャルアシスタントや、AIの雇用への影響などをテーマに、未来の物語が紹介された後、その裏側にある技術的要素が解説されている。

 その技術を解説しているのがMicrosoftやGoogleで研究してきた人工知能学者だ。著者いわく「20年後には80%以上の確率で登場しているはずの技術を扱う」。

 つまり、この本は、かなり現実味がある未来予測の書なのだ。

 現在の生活という近視眼的な視点で考えると、AIで世の中がどう変わるのかを実感することは難しい。しかし、20年後には、社会は劇的な変化を遂げている可能性がある。技術のトレンドをもとに未来から逆算して、現在を考えることは、新しいビジネスを立ち上げる際や、将来の計画を立てるうえでも有効であろう。

坂本 海さん〈選者〉bookvinegar 坂本 海さん
ビジネス書の書評メディア「bookvinegar」編集長。大学卒業後、半導体商社、ベンチャーキャピタルを経て、2011年ブックビネガーを設立。これまで2500冊以上のビジネス書を紹介している。

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