企業・人事部門によるスメルハラスメント対策
スメルハラスメントは職場の生産性や人間関係に深刻な影響を与えるため、企業や人事部門による適切な対策が求められます。消臭対策を行うと同時に、相手の感情を傷つけずに、気づきを促す方法を考えましょう。
■社内ルールの策定と従業員教育
スメルハラスメント対策には、明確な社内ルールの策定と従業員教育が不可欠です。顧客と接する機会が多い業種では、『香りの強い香水・柔軟剤は使用NG』『勤務中は禁煙』といったルールを設ける会社も少なくありません。
就業規則に『身だしなみチェック』を盛り込んだり、エチケット講座を開催したりするのもよいでしょう。
スメルハラスメントの注意喚起を行う際は、特定の個人を指摘せず、会社全体の問題として扱うのがポイントです。自分が加害者にも被害者にもなり得ることをしっかりと伝えましょう。
■相談窓口の設置
スメルハラスメントに関する相談窓口の設置は、問題の早期発見と適切な対応のために重要です。
オンラインフォームや専用のメールアドレスを用意したり、プライバシーに配慮した相談室を設けたりして、相談しやすい環境を整えましょう。
問題が発生した際は、相談者の話を丁寧に聞き取り、状況を正確に把握します。関係者への聞き取りをし、客観的な事実関係を確認した上で、当事者間の調整を行います。
重要なのは、相談者の不利益にならないよう配慮しつつ、公平かつ迅速な対応を心掛けることです。これらの取り組みにより、従業員が安心して働ける職場環境が実現します。
■換気と消臭
適切な換気は不快なにおいを減らすとともに、空気中の有害物質を除去します。小まめな換気を呼び掛けたり、高性能の空気清浄システムを導入したりして、職場環境の快適性の維持に努めましょう。
消臭対策としては、活性炭フィルターや光触媒技術を用いた空気清浄機の設置が効果的です。天然の空気浄化効果が期待できる観葉植物を室内に配置するのもよいでしょう。定期的な清掃と消臭スプレーの適切な使用も欠かせません。
複数の対策を組み合わせることで、スメルハラスメントのリスクを大幅に低減できます。
スメルハラスメント対策は個人と組織の協力が大切
スメルハラスメントは、体臭・口臭・香水などの不快なにおいによって他者に悪影響を与える行為です。においは目に見えないため、自分が加害者になっていることに気づかないケースは少なくありません。
職場においては、個人と組織が協力して取り組むことが大切です。個人レベルでは、自身の体臭ケアや香りの使用に注意を払うことが求められます。
企業や人事部門は、ルールの策定や相談窓口の設置を通じて、組織のスメルハラスメントに対する意識向上を目指しましょう。
構成/編集部