アルゴリズムという言葉は知っているものの、意味がよくわからないという方は多いのではないでしょうか。ビジネスの現場では、問題・課題を解決するための手順を指して使われる言葉です。本記事では、アルゴリズムの意味や種類、日常生活の具体例などを解説します。
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アルゴリズムという言葉は知っているものの、意味がよくわからないという方は多いのではないでしょうか。ビジネスの現場では、問題・課題を解決するための手順を指して使われる言葉です。
本記事では、アルゴリズムの意味や種類、日常生活の具体例などを解説します。
アルゴリズムの意味とは?
アルゴリズムとは、作業の手順や計算方法のことです。作業手順書に記載されている指示や料理のレシピなど、身近にはアルゴリズムの例が多く存在します。
ここでは、アルゴリズムの意味をみていきましょう。
参考:デジタル大辞泉
■計算や処理の手順
アルゴリズムとは、特定の問題や課題を解決する手順や計算、処理方法のことです。手順に従えば、結果にたどり着けます。物事に漠然と取り組むよりも、アルゴリズムに沿って取り組むことで、時間を大幅に短縮して結果を得ることが可能です。
ひとつの処理に対して複数のアルゴリズムが存在することが多く、できる限り効率良く迅速に処理できるアルゴリズムを選ぶことが大切です。
■プログラミングとの違い
アルゴリズムとプログラミングは、目に見えるかどうかという違いがあります。アルゴリズムは抽象的な考え方で、形がありません。アルゴリズムだけではコンピュータは作動せず、指示書が必要です。
アルゴリズムをコンピュータの言語に翻訳したものがプログラミングであり、プログラミングがあることでコンピュータの実行が可能になります。
■アルゴリズムの基本構造
アルゴリズムには、次のような3つの基本構造があります。
・順次構造
・選択構造
・反復構造
最も基本的なのが、順次構造です。手順通り上から処理を進めていきます。
たとえば、次のような手順です。
1.食材を冷蔵庫から取り出す
2.野菜の皮を剥いて細かく切る
3.豚肉を切り分ける
4.油をひいて野菜と豚肉を炒める
順番通りに実行することで、「料理の完成」という結果を得られます。
選択構造は、複数の処理の中から特定の処理を選択するという内容です。ある条件を設定することで、その後の手順が変わります。
選択構造の一例は、次のとおりです。
- 明日が晴れの場合は、洗濯をする
- 明日が雨であれば、部屋の片付けをする
特定の状況や条件に基づき、その次にとる行動を変えていきます。
反復構造は、一定の条件を満たすまで一連の行動を繰り返し、条件を満たしたら処理を終了するという構造です。
たとえば、次のように特定の問題を解決するために必要な手順を繰り返します。
1.部屋の模様替えで、古い本棚から新しい本棚に本を移動させる
2.古い本棚からから本を3冊とる
3.新しい本棚に収納する
4.古い本棚の本がなくなるまで繰り返す
何かが完了するまで、反復を繰り返すというイメージです。
身のまわりにあるアルゴリズムの例
私たちの身のまわりでは、アルゴリズムが多く存在しています。
一例として、次の場面があげられます。
・カーナビ・乗換案内
・買い物リスト
カーナビや乗換案内のアプリには、アルゴリズムが使われています。アルゴリズムにより、出発地点から行き先に行くまでにどのようなルートがあり、どのルートを選べば早く着くか、走行距離を短くできるかを計算しています。
買い物リストを持ってスーパーに行くとき、書かれている商品名の順番で商品を探す人はほとんどいないでしょう。効率良く、買い物リストの中で手前の商品棚にあるものから購入をしていくのが一般的です。
商品を選ぶ順番やルートは複数ありますが、それらの中から自分にとっての最適な方法を選ぶのも、アルゴリズムの一種です。
アルゴリズムの種類
アルゴリズムには、主に次のような種類があります。
・探索アルゴリズム
・ソートアルゴリズム
・暗号化アルゴリズム
それぞれの内容をみていきましょう。
■探索アルゴリズム
複数のデータの中から、条件に一致した値を見つけるために使われるアルゴリズムです。
探索アルゴリズムは、次の2つに分けられます。
・線形探索アルゴリズム
・二分探索アルゴリズム
線形探索アルゴリズムは、先頭のデータから順に、条件に照らし合わせながら調べるアルゴリズムです。すべての要素を探索しなければならず、手間がかかるという問題があります。
二分探索アルゴリズムは、データ群を2つのグループに分け、探索している要素がどちらのグループにあるかの判断を繰り返すアルゴリズムです。線形探索アルゴリズムよりも効率的ですが、次に説明するデータを整列させてから行う必要があります。
■ソートアルゴリズム
ソートアルゴリズムは、順番を並び替えるためのアルゴリズムです。データベースをはじめとして大量のデータを扱う場合、データを昇順、降順など、一定の規則に従って整列させるために使われます。
隣接する値同士の比較や入れ替えを繰り返すバブルソートや、より高速な値の整列を行うクイックソートなど、いくつかの種類に分けられます。
■暗号化アルゴリズム
暗号化アルゴリズムとは、データの暗号化処理における手順や規則のことです。元のデータに処理を施して別のデータに変換することで、情報を安全に保管・転送できるようにします。
暗号化アルゴリズムには共通鍵暗号方式や公開鍵暗号方式などさまざまな種類があり、データの機密性を保護するためには、適切な方式を選択することが必要です。