アグリゲーターがもたらすメリット
アグリゲーターの導入により、次のようなメリットがあります。
・企業価値を高める
・最新の知識・技術を導入できる
それぞれ、詳しくみていきましょう。
■企業価値を高める
アグリゲーターは複数分野の専門性と市場を分析する能力があり、それを活かして社内外の情報や人材、リソースを取り入れます。その結果、企業にとって付加価値が生み出され、企業価値の向上につながることがメリットです。
アグリゲーターを介してほかの企業とコラボレーションをすることになれば、社員の能力アップにもつながります。自社と異なる働き方をみたり社員同士が交流したりして、新たな知識やスキル、気づきを得られるでしょう。
社外でも活躍するアグリゲーターは企業の顔となり、他社との連携などつながりをもたらします。企業の知名度向上にも役立つでしょう。
また、高い専門性があり、幅広い仕事を実行できるアグリゲーターという人材はまだ少なく、プロジェクトを成功に導いたことのあるアグリゲーターが在籍していること自体が、企業の評価を高めるといえます。
■最新の知識・技術を導入できる
アグリゲーターは、プロジェクトに必要な人材や技術などを集約してスピーディにプロジェクトを進めるため、常に最適の方法を模索しています。
少しでも効率よく仕事を進めるために最新の知識や技術を導入したり、作業を効率化できる知識を提供したりします。その結果、企業には最新の知識や技術が導入されることになり、企業の生産性も高まるでしょう。
アグリゲーターを導入する際の問題点
アグリゲーターの導入にはメリットがある一方、問題点も存在します。
詳しくみていきましょう。
■育成が難しい
アグリゲーターには経営者・管理者・実務者の役割がありますが、そのような人材を育成するのは難しいという問題があります。
経営者の視点を持つためには、事業の立ち上げなど、経営者の視点に立って行動する機会が必要です。しかし、そのような機会は少ないでしょう。
また、アグリゲーターに求められるスキルは曖昧な部分もあります。人材を集めるためには人を惹きつける人間性が必要であり、情報を集めるためにはコミュニケーション力や情報収集能力が求められます。
これらの評価基準は明確でなく、短期間の育成で養われるものではありません。経験の積み重ねが必要になることもあるでしょう。
■待遇に不公平感が出る場合がある
アグリゲーターには能力が高く優秀な人材が選ばれるため、給与は高く設定されることが多いと考えられます。そのことで、ほかの社員に不公平感を与える可能性があります。
アグリゲーターは新しい職種で、仕事内容もほかの社員からみるとよくわからない部分もあるでしょう。成果が出るまでには時間がかかることもあります。そのため、高い待遇には疑問をもたれるかもしれません。
導入の際は社内全体に周知し、理解を求める必要があるでしょう。
アグリゲーターの意味を正しく把握しよう
ビジネスにおけるアグリゲーターは、幅広い分野に精通し、すべてに高い専門性を備えた職種です。ビジネスが複雑化し、変化が激しい時代に必要とされています。そのため、今後も増えていくと予想されるでしょう。
アグリゲーターの育成は簡単ではありませんが、企業価値を高めて市場競争に勝ち抜くためには、採用や育成に向けた準備を検討してみるのもおすすめです。
構成/須田 望