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こんにちは。
弁護士の林 孝匡です。
宇宙イチわかりやすい法律解説を目指しています。
今回は、ホントウにあった不倫裁判です。
―― 奥さま、不倫の証拠とは?
妻
「旦那の車の中にコンドームの箱があったんです」
「しかも!……1個つかってました」
―― キャー!ワンナウトー!
裁判所の判断やいかに!?(東京地裁 R1.12.6)
※ 実際の判決を基に構成
※ 判決の本質を損なわないようフランクな会話に変換
※ 争いを一部抜粋して簡略化
登場人物
以下、別居スタート時の年齢
▼ 妻
36歳くらい
長男 4歳くらい
▼ 夫
36歳くらい
▼夫の不倫相手(以下「Y子」)
・スナック勤務
・既婚者
長男あり
どんな事件か
結婚して約10年後のこと。夫はスナックでY子と知り合います。
▼ 北海道旅行
愛人関係と言ってよいでしょう。夫がY子を北海道に旅行に誘い、2人で旅行にいきました。そのとき、夫がY子の旅費を出してあげました。
▼ Y子の存在が妻にバレる
約1年後のこと。
―― 旦那さん、なぜY子さんの存在がバレたんですか?
夫
「Y子からオススメされた健康食品を買ったときに、Y子の名前、住所、電話番号を書いたんです。その書類が私の自宅と会社に届きまして…」
―― 御愁傷様です……。
▼ 妻がY子にブチギレ
妻がブチギレてY子に、以下のLINEをしました。
あなたとの事で家庭がグチャグチャです。家庭を崩すことは避けていただきたいです
▼コンドーム発見
それから3年後のこと。
―― 奥さん、コンドームをどこで発見したんですか?
妻
「夫の車のトランクの、奥~~の方です。コンドームの箱と媚薬が入っていたんです」
―― コンドームの箱は開いてましたか?
妻
「箱の封は開いていました。6個入りのコンドームなのですが、5個しかありませんでした…」
―― 奥さんと愛し合った時に使った可能性は?
妻
「それはありません。夫と愛し合うときにコンドームは使っていませんでしたから」
完全にクロですね。
▼ 妻が家を出る
それから約1か月半後、妻が子どもを連れて家を出ました。別居スタートです。
▼はち合わせ事件
妻が家を出て2日後のこと。妻は何か荷物をとりにいこうと思ったのでしょうか。マンションにいったところ、なんと!
夫と一緒にY子がマンションにいたのです。妻は玄関のドアを開けようとしましたが、夫がドアを押さえて開けることができず。妻はマンションに入ることができませんでした。
▼ 探偵に依頼
妻は探偵に依頼します。探偵から上がってきた報告書には「お泊まり」の事実が記載されていました。
・午前2時7分、夫がスナックから出てタクシーに乗車
・夫のマンション付近でタクシーから降りてコンビニに入る
・その後、マンション前で待機
・Y子が車でマンションに来て敷地内に駐車
・午前2時31分、2人がマンションに入っていく
・翌日の午前11時21分、Y子がマンションから出てくる
(前日とは別の服装で)
妻は探偵の調査報告書を証拠として、Y子に対して慰謝料請求訴訟を提起しました。