世界最大規模の世論調査会社であるイプソスは、日本を含む世界30か国2万3754人を対象に“教育”に関する意識調査(イプソス「教育モニター2024」)を実施。結果をグラフにまとめて発表した。本稿では同社リリースをもとに、その概要をお伝えする。
日本の教育システムにおける課題意識、Z世代は「時代遅れのカリキュラム」を指摘
現代の日本の教育システムの最大の課題を、Z世代は「時代遅れのカリキュラム」、その他世代は「教員教育が不十分」と考えていることがわかった。
特にベビーブーマー世代は「教員教育が不十分」45%に対し、Z世代の同回答は2位で27%と20ポイント近い差がつき、直近で教育を受けてきた世代との認識の差が明らかになっている。
■日本の教育システムを最も肯定的に評価しているのは、最近まで教育を受けていたZ世代
「あなたの国における教育システムの全体的な質をどう評価しますか?」という問いに対し、「良い」と回答した日本人は19%と、グローバル比較では30か国中24位という結果になった、
これを日本人だけの回答をみた場合、最も肯定的に評価している世代は、最近まで教育を受けていたZ世代であることが判明。将来のキャリアへの備え、社会的不平等の緩和への貢献などについて、最も評価していない年代と比較すると、いずれも10%前後の差がつく結果が得られた。
今回の調査結果について
イプソス株式会社代表取締役社長 内田俊一 氏
今回の調査では、実際に最近まで教育を受けていた世代とその上の世代で、教育に関する問題意識が異なることがわかりました。ミレニアル世代より上の世代は、教員への不満を見せていますが、Z世代はそれよりもカリキュラムを時代に沿ったものに変えていってほしいと考えています。
また、Z世代は、他の世代よりも、現代の教育システムに対して肯定的です。『教育』を取り巻く環境やその課題に関する報道に日々触れ、その内容からポジティブなイメージを持ちづらい状況があるのかもしれないですが、実際の教育現場は、政策や学校、教員の尽力により、世間一般が抱くイメージよりも、時代に合わせた適切な環境・対応が整備されているということではないでしょうか。
本調査は今後も継続的に実施していきます。どのような変化が見られるのかはまたお知らせしていきます。
<調査レポート詳細はこちらから>
https://www.ipsos.com/sites/default/files/ct/news/documents/2024-09/Ipsos-Education-Monitor-2024-ja.pdf
調査概要
調査方法/イプソス グローバルアドバイザー調査プラットフォーム 、IndiaBus プラットフォームを使用したオンライン調査
調査対象/世界30か国2万3754人(日本人2000人)
・インドの18歳以上、カナダ、アイルランド共和国、マレーシア、南アフリカ、トルコ、米国の18~74歳、タイの20~74歳、インドネシアとシンガポールの21~74 歳、その他の国の16~74歳
実施日/2024年6月21日~7月5日
調査機関/イプソス
関連情報
https://www.ipsos.com/ja-jp
構成/清水眞希