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「iPhone 16」シリーズは買いか?待ちか?ライバルスマホとの比較で導き出した結論

2024.09.21

意外にも国内向けも『価格据置』

 国内でのiPhoneの人気は安定しているが、ここ数年は高付加価値高価格路線を推し進めており、国内では「高すぎて、もう最新のiPhoneは買えない」という声も多く聞かれる。各携帯電話会社では端末代金を分割払いにして、2年後や1年後に端末を返却することで割安に販売する「端末購入サポートプログラム」に注力しているが、それでも主力モデルは最安値で月々3000円弱の負担を強いられる。こうした事情もあり、ここ数年、iPhoneの売れ行きにも変化が見え、実際の売れ筋は普及モデルの「iPhone SE(第3世代)」をはじめ、型落ちで割安になった「iPhone 14」シリーズや「iPhone 13」シリーズなどが占めているという。国内のスマートフォン市場の環境が厳しい中、アップルは何とか半分前後のシェアを保っているとされるが、売れ筋のモデル構成は、より安価なモデルに移行しつつあるわけだ。

 そんな中、今回の「iPhone 16」シリーズがどういった価格設定になるのかが注目されたが、いざ、フタを開けてみれば、意外にも昨年の「iPhone 15」シリーズとまったくの同価格で販売されることが明らかになった。原稿執筆時点で各携帯電話会社の販売価格は発表されていないが、アップルの販売価格が据え置きとなれば、ほぼ昨年同様に収まりそうな気配だ。もっともアップルから各携帯電話会社への納入価格が据え置きかどうかはわからないため、各携帯電話会社の販売価格が上下する可能性は十分に考えられる。それに加え、昨年12月に電気通信事業法の省令改正により、端末割引が4万4000円(税込)まで増額されたため、昨年よりも割安に購入できる可能性もある。

※iPhone 16シリーズの4キャリアでの本体価格(一括払い)は、iPhone 16が14万1700円~21万1680円、iPhone 16 Pro Maxが22万4800円~29万9310円と発表されています

 国内では価格高騰が続いた印象が強いiPhoneだが、実は米国での販売価格は「iPhone 12」シリーズ以降、スタンダードモデルが799ドルから、Proモデルが999ドルからに設定され、ここ数世代で発売時の価格は変わっていない。裏を返せば、チップセットの性能やストレージの容量などを少しずつ向上させながら、価格は据え置きのまま、販売されてきたわけだ。

 ところが、国内での販売価格は為替レートの影響を受けるため、発売されるタイミングによって、価格が変わってくる。たとえば、「iPhone 12」は米国での価格の799ドルに対し、国内価格は8万5800円(税抜)に設定されたため、為替レートは1ドルあたり107円の計算。これに対し、「iPhone 15」は発売時、米国価格が同じく799ドルに対し、国内価格は11万3455円(税抜)で、為替レートは1ドルあたり142円。今回の「iPhone 16」も同価格なので、為替レートは変わらず、今回の「iPhone 16」シリーズ全体で見ても為替レートは1ドルあたり140~145円の範囲に収められている。

 この為替レートを高いと見るか、安いと見るかは難しいが、今年はじめからの円安傾向で、一時は「1ドル=160円台」に達するほどの急激な変動があったことを鑑みると、アップルとしてはかなり為替変動を抑えた価格に設定したとも言える。逆に、8月から順次、販売が開始されているGoogleの「Pixel 9」シリーズは、「Pixel 9」の米国価格の799ドルに対し、国内価格は12万8900円で、為替レートは1ドルあたり161円に達してしまう。もっともGoogleの場合、今年5月に発売された「Pixel 8a」は同じ計算で為替レートが1ドル145円に抑えられており、それぞれのタイミングに合わせた為替レートで価格を設定しているという見方もできる。

機能で考える「iPhone 16」シリーズの買い時

 価格が据え置かれた「iPhone 16」シリーズだが、従来の「iPhone 15」と「iPhone 15 Plus」、「iPhone 14」と「iPhone 14 Plus」は併売され、価格も値下げされるため、iPhoneを買い換えるユーザーの選択肢は、かなり幅広くなる。実際に「iPhone 16」シリーズに買い換えるべきなのだろうか。

 今回の「iPhone 16」シリーズのトピックとしては、前述の「カメラコントロール」という新しい操作体系が加わり、カメラ機能が強化されていることが挙げられる。たとえば、Proモデルで強化された動画撮影をVlogなどに活用したいのであれば、検討する価値はありそうだ。

 しかし、こうしたカメラ機能など以上に注目度が高いのは、アップルの生成AI「Apple Intelligence」への対応だろう。「Apple Intelligence」はiPhoneやiPad、Macなどで利用でき、iPhoneについては今回の「iPhone 16」シリーズのほかに、昨年の「iPhone 15 Pro」と「iPhone 15 Pro Max」に対応する。AIを利用した機能で求められる高い処理能力を実現するには、搭載メモリーやチップセットのパフォーマンスが必要なため、「iPhone 15」シリーズのスタンダードモデルや「iPhone 14」シリーズ以前のモデルでは、「Apple Intelligence」が利用できない。

「Apple Intelligence」の具体的な機能としては、メールやメッセージの文章を生成したり、録音した会議を文字起こしして、内容を要約したり、iPhoneに撮りためた写真や動画から「赤いドレスを着て踊る○○」のように指定して、該当するものを探し出すといったことができる。「叔母から編み物を学ぶ子どもたち」と入力して、画像を生成するといったことも可能だ。入力は画面上の文字入力だけでなく、音声入力にも対応し、自然言語を認識するため、「○○……じゃなくて、▲▲の建物は~」というように、言い間違いを修正しながらの話し言葉で入力ができる。AIの利用で気になる個人データについてはもAppleシリコンで構築された「Private Cloud Compute」で演算が実行され、これらの情報をアップルや他の企業が保存や共有ができないように、透明性を確保している。

 まだ未知数の部分が多いものの、これからのスマートフォンの進化において、生成AIを軸とした機能が欠かせないため、iPhoneユーザーにとって、「Apple Intelligence」が非常に重要な機能になることは間違いなさそうだ。そのことを考えると、「iPhone 16」シリーズへの買い換えを検討したいが、残念ながら、「Apple Intelligence」は2024年10月から米国の英語版でβ版が公開され、今年12月にオーストラリアやカナダ、ニュージーランド、南アフリカ、イギリスの英語版が公開されるスケジュールとなっている。日本語については中国語、フランス語、スペイン語などと共に、2025年に公開をスタートする予定のため、当面は利用できない。「とりあえず、英語版でも動かせれば……」と考えるかもしれないが、「Apple Intelligence」はiOS 18に組み込まれる形で実装されるため、プラットフォームの言語を英語に切り替えたり、場合によってはApple IDも米国のものを取得しなければ、「Apple Intelligence」を利用できないかもしれない。

 そうなってくると、今回の「iPhone 16」シリーズは、「Apple Intelligence」の日本語対応が公開される2025年まで待つというのもひとつの考え方だ。過去に事例は少ないが、今年8月後半以降、為替レートは徐々に円高方向に振れつつあり、今後も一段と円高に進むようであれば、アップルが「iPhone 16」シリーズの価格を見直す可能性も考えられ、そのタイミングで購入を検討するのも手だ。ただ、「Apple Intelligence」の日本語対応や価格の見直しが来年春以降にずれ込むようであれば、来年9月に登場するかもしれない次期iPhoneの後ろ姿が見えてくるため、そこまで待つ方法も考えられる。2025年は一部で噂が絶えない「iPhone SE(第3世代)」の後継モデルが登場するとも言われており、この後継モデルが「Apple Intelligence」に対応するかどうかも判断をさらに難しくする要因になるかもしれない。

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