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30~60代女性の8割が「何らかのメンタル不調を感じたことがある」、ピークは更年期世代

2024.09.24

漢方薬を中心とした一般用医薬品と医療用医薬品を販売するクラシエ薬品では、30~60代の女性1236人を対象とした「更年期のメンタル不調に関する実態調査」を実施。回答結果をグラフと図表にまとめて発表した。

本稿では同社リリースを元に、その概要をお伝えする。

30代~60代女性の約8割がメンタル不調を実感

30代~60代の女性1236名に、直近1年以内感じた「心の不調・お悩み」(※1)について聞いたところ、30~60代の女性の全体の81.8%が何らかのメンタルの不調を感じたことがあると回答した。
※1「心・メンタル不調」の症状には次の症状を含む:ストレス・気疲れ、イライラ、意欲・やる気の低下、夜中に目が覚める、不眠・眠れない、怒りっぽい・不機嫌になる、自分に自信がない、不安感・恐怖感がある、記憶力の低下・物忘れ、他人に会いたくない、集中力の低下・ボーっとする、家事や仕事がはかどらない、涙もろい・すぐに泣いてしまう

■メンタル不調は更年期にあたる世代(45-54歳)でピークに

続いて、更年期世代の前後を含む3世代(※2)でメンタル不調の実態を比較したところ、更年期にあたる世代(45-54歳)は85.0%と最も高いスコアになった。

さらに、更年期前の世代(30-44歳)でも同等のスコア(84.1%)がみられたことから、メンタル不調は比較的早くから現れる傾向が推察できる。

一方、更年期後の世代(55-69歳)は他の世代よりも10%程度下がり、メンタル不調が落ち着く傾向がみられた。更年期後は比較的女性ホルモンの増減が少なくなり、自律神経のバランスも安定することからメンタル不調が軽減する可能性が考えられる。
※2一般的に日本人女性の平均閉経年齢といわれる50歳を基準に前後5年を含む計10年間を「更年期にあたる世代(45-54歳)」としている。更年期にあたる世代の前後をそれぞれ「更年期前の世代(30-44歳)」と「更年期後の世代(55-69歳)」とした。

症状は更年期前・更年期にあたる世代は「ストレス・気疲れ」「イライラ」が上位に

続いて、具体的な症状別にみたところ、全体では「ストレス・気疲れ」(49.8%)や「イライラ」(38.0%)「意欲・やる気の低下」(34.4%)が上位にあがった。

世代別に比較すると、更年期前の世代と更年期にあたる世代では全体と同様の傾向が見られた一方、更年期後の世代は他の世代に比べて「夜中に目が覚める」(32.7%)や「不眠・眠れない」(28.2%)など睡眠に関する悩みが多いことがわかる。

この結果から、更年期が終わると徐々にメンタルの悩みが軽減。内容にも変化が生じる傾向が考えられる。

■世代別ストレス要因:更年期前は「家計・育児」、更年期・更年期後は「健康」

日常生活でストレスに感じていることについて聞いたところ、全体では「将来の不安」が48.6%と最も多かった。次いで、「収入・家計・金銭面」(41.6%)、「自身の健康・体調・体質」(41.3%)にストレスを感じているという結果に。

世代別でストレス要因を比較してみると、年齢による違いが明らかになった。更年期前の世代では「収入・家計・金銭面について」(50.8%)が1位となり、他の世代ではみられなかった「育児」(25.4%)が上位にランクイン。

更年期前の世代はまだ幼い子をもつ親も多いことから、家計の不安に加えて子育てにおけるストレスも感じていることがわかる。

一方、更年期にあたる世代と更年期後の世代になると、「健康面」に対する悩みや不安を感じる人の割合が高くなる結果となリ、ライフステージに応じて、家計や育児の不安から、自分自身の不安へと、ストレスの要因も変化する傾向が見られた。

調査概要
実施時期/2024年7月8日(月)~7月10日(水)
調査手法/インターネット調査
調査対象/全国の30~69歳の女性1238人(年代別の人口構成比に合わせて回収)
※本調査に先立って全国の1万人に対して更年期症状の自覚の有無を問うスクリーニング調査を実施。更年期世代の区分に該当する1236人を対象にアンケートを実施。
調査委託先/株式会社 H.M.マーケティングリサーチ

藤沢女性のクリニックもんま 院長・門間美佳先生による解説

なぜ更年期になると心の不調が現れるのでしょうか?

門間先生 年齢を重ね更年期に近づくと、卵巣の機能が低下しエストロゲンという女性ホルモンの分泌量が急激に減少します。エストロゲンの急激な減少によりホルモンバランスが崩れ、自律神経に影響を及ぼすため、心身の不調が現れることがあります。さらに、更年期の症状はホルモンバランスの影響だけでなく、仕事や家庭環境などの心理的要因も関わっていると言われています。

更年期症状のお悩みを訴えて来院される患者さんはどれくらいいらっしゃいますか?

門間先生 更年期症状で婦人科を受診される方は全体の4割程度です。受診される方の多くが日常生活に支障が出始めてから来院されることが多いです。ここ数年、メンタル面の不調に悩まれている方も増えてきていると実感しています。メンタル面の不調は悪化するとうつ病になる可能性もあるため、何もする気が起きない、眠れないなどの少しでも気になる症状があれば、気軽に医師に相談してみてください。

更年期症状を訴える患者さんへの病院での治療方法について教えてください。

門間先生 まずは、カウンセリングをして、お悩みの症状や生活習慣についてもお伺いします。食事や睡眠など、生活習慣の中で改善できることがあれば、生活改善の指導を行います。また、必要に応じて薬物療法や漢方療法、ホルモン補充療法、プラセンタ注射を用いることもあります。基本的には、患者さんのライフスタイルと症状にあった治療方法を提案しています。

更年期と上手く付き合っていくためのアドバイスを教えてください

門間先生 まずは、更年期について知ることが大切です。どういった症状があるのか知っておくだけで、症状が出た時に「更年期かも」と受け止めることができるようになります。自分が更年期かもと感じたら、自分の症状を理解して、自分の症状に合った対策を見つけてみましょう。更年期症状にお悩みの方は、我慢せずに一度医師へ相談することをおすすめします。

関連情報
https://www.kracie.co.jp/ph/k-therapy/

構成/清水眞希

 

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