秋といえば、月が綺麗な季節だ。しかし多くの消費者は夜空を見上げるよりも、ハンバーガーチェーンに駆け込んで「月見」を堪能しているようだ。
LINEヤフーの多様なサービスから得られる行動ビッグデータを分析できる事業者向けサービス「ヤフー・データソリューション」はこのほど、検索ビッグデータから「お月見」に関するキーワードを調査分析した結果を発表した。
お月見に関する人々の興味関心は、過ごし方より食べ物へ
「ヤフー・データソリューション」が提供する分析ツール「DS.INSIGHT」を使用し、2019年と直近1年間(2023年7月24日~2024年7月28日)に検索された「月見」を含むキーワードを分析した結果、食べ物に関するキーワードが圧倒的に多いことが明らかになった。
特に象徴的なキーワードとして、さまざまなハンバーガーチェーンなどで販売されている「月見バーガー」が挙げられる。「お月見 楽しみ方」「お月見 準備」などの伝統的な過ごし方に関するキーワードは、ランキング圏外にも確認することができなかった。このことから、“食”を通じた「お月見」の新たな楽しみ方が盛り上がっていることがうかがえる。
※分析期間:2019年の1年間と直近1年間(2023年7月24日~2024年7月28日)で比較
お月見に関連した商品の検索キーワードの合算値は2019年から4倍以上に
「月見」を含むキーワード群から商品と思われるもののみを抜き出し、合算して検索推移を調べたところ、2019年から2022年にかけて月見関連商品の検索ボリュームは大幅に増加し、特に2022年は2019年の約4.4倍もの検索ボリュームとなった。SNSの普及や企業のマーケティング活動の強化なども背景に、この期間中に市場が急成長したことが考えられる。
しかし、直近の2023年には検索ボリュームの伸びが若干落ち着きを見せており、市場が成熟期に入った可能性がある。毎年のイベントとして定着し、新規の関心もある程度浸透しきったと言えるかもしれない。
「月見バーガー」を検索している人は、さまざまなお店を食べ比べている?気にしているのはカロリー
「月見バーガー」というキーワードで検索している人が、その前後にどのような検索行動を行なっているかを見たところ、「チェーンの名前+月見関連商品」をセットで検索している傾向が見て取れた。消費者は特定のブランドにこだわらず、その年特有の新商品やキャンペーンに対する期待感を持ち、さまざまな月見商品に関心を寄せている可能性がある。各企業が競い合う中で、月見バーガーの食べ比べを楽しむグルメなユーザーが一定数いるのかもしれない。
また「月見バーガー カロリー」というキーワードを検索したユーザーが多いことがわかった。食べ比べを楽しむ一方で、食べ過ぎを懸念している消費者の心理を反映していると思われる。
※中心線が「月見バーガー」を検索した当日、中心から左が「月見バーガー」検索前に検索したキーワード、右が「月見バーガー」検索後に検索したキーワード
構成/こじへい