ついに発売となったiPhone 16にも独自AI「Apple Intelligence」が搭載され、スマホ、PCともにオンデバイスAI時代が到来しました。現在発売中のDIME11月号ではAIスマホ、Copilot+ PCといったAIデバイスを大特集しています。本記事ではDIME最新号から一部抜粋し、独自AI「Apple Intelligence」の詳細、疑問点を一足お先に解説していきます!
多くの操作をタッチパネル上で行なう使用スタイルや音声アシスタント「Siri」によるユーザーサポートなど革新的な機能で新しい体験をもたらしてきた『iPhone』。今秋より独自AI「Apple Intelligence」を採用し、さらに便利な暮らしを実現しようとしている。その詳細を、アップル事情に詳しい大谷和利さんが解説!
テクノロジーライター
大谷和利さん
故スティーブ・ジョブズ、ビル・ゲイツのインタビュー記事をはじめ、IT・デザイン分野で文筆活動中。近著に『「ルンバ」を作った男 コリン・アングル「共創力」』(小社)。
Apple Intelligenceの仕組み
■アップルはAI開発で遅れていたわけではない
これまでアップルは、機械学習による高度な自動処理を様々な機能に応用しつつも、定義が曖昧なAIという言葉の使用は避けてきた。だが、他社がAIを前面に出すマーケティングを展開する中で自社のスタンスを明確化する必要に迫られ、プライバシーやセキュリティー上の懸念解消を図り、ハルシネーション(誤った情報の提示)を避けて機能する独自AIのApple Intelligenceを発表したというわけ。
■質問内容に応じて外部サービスも活用する
「自社のSafariと比べて他社製Webブラウザーは情報がダダ漏れ」というCMを打つほど、プライバシーとセキュリティーを重視するアップル。オンデバイスとプライベートクラウド上の処理を組み合わせ、Apple Intelligenceとのやりとりを本人以外は知り得ない仕組みを構築したのが、他社との違い。ハルシネーションが起こる可能性のある質問は、ユーザーの同意を得て外部AIに受け渡す。
■従来のSiriとは何が違う?
アップルはボイスコマンドで情報が得られるSiriを、2011年に発売した『iPhone 4S』から実装した。しかし、時刻や天気予報などの簡単な質問にしか答えられず、通貨換算などは直接回答ではなく関連サイトを表示するのみだったのである。一方、Apple Intelligenceと連携する新しいSiriは、より賢くなり、広範囲の質問に普通の会話形式で答えられるようになる。
「iPhone 16」に搭載される独自AI「Apple Intelligence」を徹底解説!
AIスマホ×Copilot+PC【選び方】【使い勝手】【新機能】完全攻略ガイド
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取材・文/大谷和利 編集/田尻健二郎 ※写真はアップル公式サイト公開の「WWDC24」より