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物価高に追いつかない賃上げ、7割以上の人が賃金が上がったにもかかわらず消費意欲と月々の貯蓄額が減少傾向

2024.09.19

■老後不安は投資や副業で補う?

回答者全体の384人に老後資金への不安の有無を聞くと、「不安がある派」は88.2%と、約8か月前に実施した過去調査から5.9%増加していた。

不安な理由では「年金の受給有無」が79.4%と圧倒的1位となり、次ぐ「物価高騰による生活費の増加」66.1%、「健康保険や医療費の増額」53.7%など、上位3回答に変化はないものの、上位2項目が過去調査よりも10.0%以上増加している。

老後資金への不安の劇的な増加が見られた本結果は、毎月の生活に余裕がないことの裏付けにもなっていると考えられる。

そこで、投資・資産運用をしている287人にその理由を聞くと、約8か月前の過去調査で約半数が回答していた「老後の備え」が今回の調査では78.4%になるなど、他項目に大きな差をつけ1位となった。

続く「リスク分散」が44.9%と他項目より大幅に増加する結果となり、3回答目に「将来の目標・ライフイベント」が挙がっている。

投資・資産運用の意識は、金融庁から「老後2000万円」が発表された2019年以降徐々に顕著になり、昨今の物価高や少子高齢化の観点から強まっていると考えられる。

また、回答者全体の384人に副業をしたい・続けたい理由を聞くと、「収入を上げるため」が75.3%と、他項目に大きな差をつけて1位となり、次いで「生活費の補填」が48.0%となった。

過去2年間に渡り実施した調査では、「スキル向上のため」が上位3位以内にランクインしていたものの、今回の調査では「生活費の補填」と入れ替わり、収入や生活費を軸にした考えの基で副業を行なう人が多数の結果となっている。

老後の備えを目的に投資・資産運用をしている人が多いにもかかわらず、老後不安は減るどころか増加する結果が得られた。

老後不安が増加した背景には、物価高の行く末が不透明であること、少子高齢化による社会保障負担の増加、さらには少子化対策とされる被保険者の保険料値上げが関係していると考えられる。

また、目的の2位に挙がった「リスク分散」の”リスク”とは、年金を受給できない可能性や、物価・保険料が今後も上がり続ける可能性を含んでいるのではないかと推察できる。

■賃上げを求める声は強まる

ここまでの調査結果では「収入アップ」を望む声が多く見られた。そこで最後に、回答者全体の384人に賃上げとボーナスどちらを望むかを聞くと「賃上げ派」は84.9%と、過去調査実施から約10か月で6.9%増加するなど、賃上げを求める声が強まる結果となった。

物価高・人材確保・賃上げ促進税制を背景に、大企業を中心に賃上げは実施されている状況だ。

厚生労働省の毎月勤労統計調査のグラフを見ても、実質賃金は平成18年から徐々に下落傾向にあり、令和5年には名目賃金との差が大きく開いている。

最近でも実質賃金は2か月連続で上昇しているが、これには夏季賞与が関係していると考えられ、本質的に実質賃金がプラスに転じているかは定かでない可能性がある。

厚生労働省の分析資料でも、マクロの消費に好影響をもたらすだけでなく、婚姻率や出生率の増加に繋がりうるとの考えから、若年層を中心に賃金を上げていくことを重要視している。

とはいえ、企業が賃上げをするには、その分利益も上げる必要があり、その手段として、物の単価を上げる、もしくは原材料費やその他コストを下げる必要がある。

しかし現在は原材料費の上昇は回避できない状況であるため、結果、単価を上げる企業が増え、全体的に物価が上がる更なるインフレが起きると考えられる。

このように、単に賃上げをすれば個人の不安や不備、及び社会問題が解消されるわけではないことがわかる。加えて、賃上げにも「ベースアップ」と「定期昇給」の2種類が存在するため、どちらの上昇を推進していくかも重要だ。

そのため今後は、税金や社会保障負担の軽減・年金供給への確実性向上など、消費者並びにはたらく世代に対する、賃上げ以外での救済措置の必要性が高まっていくと予想される。

調査概要
参加対象者/JobQ Town登録者で現在職を持つすべての社会人
募集条件/全国の20~50代男女
募集期間/2024年8月21日〜9月9日
総応募数/384人
調査公開日/2024年9月30日を予定

関連情報
https://job-q.me

構成/清水眞希

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