苦境下の航空機産業が原点に立ち返り、社会に必要とされる製品を創る
新型コロナウイルス感染症の蔓延で大きな影響を受けた航空機産業。テックササキも例外ではなかった。製造業としてのこれまでのあり方を変えざるを得ない環境下で、同社が長年航空機・宇宙機器の製造で培った技術力をどうにか活用できないかを考える日々が続いた。
「長く使えて高品質なトレーラーがほしい」、「自宅のようにくつろげる空間があれば・・・」といった声を耳にし、この声に応えるために社内でできることはないかを繰り返し考えた結果、「今までにない国産のトレーラーを私たちでつくろう!」、「コロナでの疲れを癒せる空間をつくろう!」と「GLOBER」の開発に至ったという。
「GLOBER」は航空機・ロケットのような堅牢なつくりを目指してアルミ素材をリベットで結合し、継ぎ目には航空機でも用いられる、気密性を高める加工を丁寧に行っている。同社が長きにわたる航空機・ロケットの製造で磨き上げた技術力が存分に発揮されており、実際に航空機やロケットの機体製造に携わるスタッフが手作業で「GLOBER」を製造している。
外装の周囲に楕円形に取り付く、航空機表面における空気抵抗を減少させるために装着する流線型のカバー(フェアリング)を模した部品は、航空機部品を手掛ける輸送機工業が製造することで唯一無二のデザインを実現させた。車内はONDが担当し、ぜいたくに用いたヒノキと間接照明、丸みを帯びた家具により、ラグジュアリーでありつつも落ち着きとあたたかみを利用者にもたらす空間となった。そして、これらの構造物を運ぶためのベーストレーラーは、SOREXブランドで製造販売を行う両備ホールディングスが設計・製造し、同社の思いを実現するための専用品として仕上げた。
このように「GLOBER」は、テックササキの企画に賛同した同社と思いを同じくする企業とともに作り上げている。
今後も、あらゆる要望に応えていくために
これからの「GLOBER」は、様々な分野への進出を計画している。
■まさかの備えに
異常気象・震災などの有事に備え、車内に防災用品を備えておけば、万が一の際に大切な人を守ることができる。ソーラーパネルを備えた仕様であれば給電もでき、有事に避難・復旧拠点としての活用も可能。
■新たな販路を
ポストコロナの今、キッチンカーや移動販売車が日常的になるなか、「GLOBER」のデザインは目を惹くこと間違いない。他店の車両と差別化できることが確実で、内装はデザインフリーのためイメージ通りに仕上げられる。理想の移動店舗を実現可能。
【GLOBER製品詳細】
関連情報:https://ssk-gp.jp/tech-sasaki/
構成/土屋嘉久