2026年北中米W杯最終予選でロケットスタートを見せた日本代表
2026年北中米ワールドカップ(W杯)優勝という大目標を掲げ、9月からアジア最終予選に突入している日本代表。2018年ロシア・2022年カタール両W杯の時は初戦でUAE、オマーンにまさかの苦杯を喫したが、今回は同じミスは繰り返さなかった。
9月5日に埼玉スタジアムで行われた中国戦で7-0という華々しい勝利を飾ると、続く10日の敵地・バーレーン戦でも5-0と圧勝。序盤2戦で勝ち点6・総得点12・失点ゼロというロケットスタートを切ったのである。
2戦目の地・バーレーンで日本代表が試合をしたのは、2009年1月28日の対戦以来。15年前の試合に出場し、0-1というまさかの敗戦を喫した長友佑都(FC東京)は「アウェー独特の雰囲気と歓声をあって、本当に厳しい悔しい思いをした。僕の記憶が正しければ、ロッカールームも冷房がついてなくて、メチャクチャ暑かった。そのへんも含めてアウェーの洗礼を受けた」としみじみと語っていた。
デザインは斬新だが、やや老朽化が目立ったバーレーン・ナショナル・スタジアム
今回もキックオフの19時時点で気温35度をゆうに超える高温多湿の気象条件に加え、前半37分にPKで先制ゴールを決めた上田綺世(フェイエノールト)がレーザーポインターで邪魔をされるなど、アウェーならではの出来事が続いたが、選手たちは高度な集中力を維持。後半16分に守田英正(スポルティング・リスボン)の3点目が決まると、白装束のバーレーンサポーターが次々と席を立ち、帰路についてしまった。
そういった諦めの早さは、粘り強さを信条とする日本人には考えられないこと。バーレーンは目下、グループCの3位につけているが、悲願のW杯本大会初出場を果たすためにも、より一層のタフさなメンタリティを身に着ける必要がありそうだ。
16年ぶりの再訪で、バーレーンはドバイ、ドーハのような景観に
そのバーレーンに筆者は今回、16年ぶりに訪れたのだが、2008年当時にはなかった高層ビルが立ち並び、まるでドバイやドーハのような近代都市に変貌したという印象を受けた。
そもそもバーレーンという国はペルシャ湾に浮かぶ30以上の島からなる国。古代から欧州とアジアをつなぐ貿易ルートの要衝として栄えてきた。国土面積が宮城県仙台市とほぼ一緒という小規模なエリアしかないが、現在の人口は154万人。アラブ系が約7割で、残りはイラン・インド系が占めている。
隣国のサウジアラビアとは橋でつながっているため、非常に大きな影響を受けているが、イスラム教の戒律はそこまで厳しくない。アルコールは町の至るところのバーで飲めるし、購入も可能だ。空港の免税店でも買えるため、筆者はバーレーンに行くたびに入手して、ホテルの冷蔵庫に入れている。9月上旬でも最高気温が40度近くに達する猛暑の国でビールが飲めないのは致命的。この対策はある意味、マストなのだ。
中東エリアの空港でのアルコール購入はオマーン、クウェートなどでも可能だが、カタールとサウジアラビアはNG。その2つの国に行く時だけは毎回、禁酒覚悟で乗り込んでいる。カタールは限られた高級ホテルに行って、1杯2000円くらいの高額なお金を払えば飲めないことはないのだが、サウジアラビアはハードルがさらに上がる。ゆえに、長期の国際大会が開かれた時は本当に困る。サウジアラビア開催となる2027年アジアカップの頃にはアルコール全面解禁になっていてほしいものである。