2.さらに近づいた紙に似た質感
オリジナルの『Supernote』も紙の質感に限りなく近い電子ノートとして定評があったが、『Supernote Nomad』ではさらにその印象が増した。その理由は本体表面の筆記部分に新たに採用されたFeelWrite自己回復フィルムという技術である。スタイラスペンの筆圧に応じて沈みこむために適度にペン先に引っ掛かりを感じることができ、タブレット端末にありがちな滑りすぎる感触もなく、紙に近い感覚で筆記することができる。
もちろんレスポンスも良好だ。
ちなみに専用スタイラスペンのペン先は業界でも最小クラスの思われる直径0.7mmで、本体のメニューでは線の太さを0.1mmから選択することができるので、小さい文字が好きな人にも向いている電子ノートといえる。
小さい文字で書くことができれば一つのページに大量の情報を書くことが可能になり、一目で情報を目にすることができるので個人的には重要なポイントだと思っている。
また、この『Supernote Nomad』からは本体のタテヨコ切り替え機能が搭載されたことが大きい。
作業するスペースに応じで本体の向きを変えられることも大きいが、横にすることで元のサイズの2倍に画面が拡大されるため、より細かく情報を記入することができる。本体のサイズがコンパクトなことで記入のしやすさに不安を感じている人も、これなら安心ではないだろうか。
『Supernote Nomad』には電子ノートとしてオリジナルのテンプレートが豊富に用意されている。
一方でPDFとしてダウンロードすることで自身が作成したテンプレートも使用することが可能なので、その点では拡張性やアレンジ性にも優れた特徴を有している。
3.本好きには嬉しい電子書籍リーダーとしての機能
オリジナルの『Supernote Nomad』から継承されている機能として、サードパーティアプリのKindleアプリがある。
画面が非発光であるために暗い場所での読書には向かない、ページを切り替える際の動作に若干のタイムラグを感じる、など挙げれば本家の電子書籍リーダーとの差は感じるが、元は電子ノートが主機能である。それくらいの差は目をつむるべきだし、そもそも2台のガジェットを携帯しなくても済むメリットに比べれば些事である。
その他、筆者は使用していないものの、Todoリスト、カレンダー、電子メールといった機能も搭載されているので、日常的にそうしたものを使用している人はそのような機能もこの『Supernote Nomad』に一元化することができるかもしれない。
『Supernote Nomad』を購入するには?
『Supernote Nomad』はホワイトとクリスタルの2タイプの展開となっており、価格は税込52,980円。『Supernote』の公式ホームページから購入することができる。その他、専用カバーは9,800円から、専用スタイラスペンは9,680円から販売されている。電子ノートに数万円かけることに抵抗感を覚える人もいるに違いないが、要はそこから得られるベネフィットにどれだけ価値を置くかの個人の価値観の問題だと思う。日常的にノートを使用する、電子書籍を読む機会が多い人にとっては、生活の質が確実に向上する製品だと思っているので、ぜひ購入を検討してみてもらいたい。
■関連情報
https://supernote.jp/products/supernote-nomad
文/Wataru KOUCHI
趣味は合唱、読書、語学、旅行、美術館巡り、雑貨屋探索etc…。日本、海外の雑貨やガジェット、デザインコンセプトの中から思わず「それ、いただき!」と言ってしまうモノ達を紹介!