悪気なく失礼なことを言ったり、話を聞いていなかったり、集団行動が苦手だったり、喜怒哀楽の変化が激しかったり…発達障害の人とのコミュニケーションはときに難しいことがあります。そんなとき、本人たちは何を感じ、どんな世界を見ているのでしょうか?
精神科医の岩瀬利郎氏による15万部突破のベストセラーとなっている『発達障害の人が見ている世界』は発達障害の人と周りの人が見ている世界の違いを分かりやすく紹介し、特性を持つ子どもの親から、ビジネスパーソンまで、幅広い読者に支持されています。今回はそのマンガ版である『マンガでよくわかる! 発達障害の人が見ている世界』から一部を抜粋・編集し、発達障害への理解を深めるヒントを紹介します。
お風呂に入りたがらない子ども。いったい、何が嫌なんだろう?
無理に毎日入れようとせず気持ちよく入れる工夫と褒め言葉を
ASDのY君(5歳・男子)は触覚過敏で、普通ならなんとも思わないシャワーの湯が痛く感じられます。同じくASDのT君(6歳・男子)は、こだわりが強く、お気に入りの石鹸やシャンプーが切れているとパニックになってしまいます。
ADHDの人の場合は、毎日同じ時間に同じことをするのが苦手というケースもあり、お風呂に限らず、毎日、洗面所で顔を洗ったり、歯を磨いたりするのも面倒に感じてしまうようです。
まず、お風呂に入る意義をわかりやすく説明したうえで、シャワーが嫌なら湯舟に浸かるだけにしたり、お風呂は一日おきにと決めたりして、できる範囲で少しずつ慣れさせていきましょう。
そのうえで、シャワーハット、やわらかいガーゼやスポンジ、香りのいいシャンプーや石鹸、おもちゃなど、本人が好む道具を見つけ、少しでも気持ちよく入れる工夫をするといいですね。
お風呂から出たら、「きれいになったね!」といっぱい褒めてあげることも、ぜひ忘れないでください。
〈生きづらさを抱えるあなたへのヒント!〉
小さい頃からずっと風呂嫌い。一週間、入らないこともあります
きっと、多くの人にとってお風呂嫌いの最大の理由は、「めんどくさいから」になると思います。そのめんどくささに勝てる、楽しい工夫をしてみませんか? 防水のスピーカーで音楽を聴いたり、読書を楽しんだり。今は入浴グッズもさまざまなものがあります。風呂嫌い克服のため、ぜひ試してみてください。
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「マンガでよくわかる!発達障害の人が見ている世界」
著者岩瀬利郎(監修) ゆむい(マンガ)
発行所 株式会社アスコム
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岩瀬 利郎(いわせ・としお)
精神科医、博士(医学)。東京国際大学医療健康学部准教授。埼玉石心会病院精神科部長、武蔵の森病院院長、東京国際大学人間社会学部専任教授、同大学教育研究推進機構専任教授を経て現職。精神科専門医、睡眠専門医、臨床心理士・公認心理師。15万部を超えるベストセラーとなった『発達障害の人が見ている世界』(アスコム)他、『認知症になる48の悪い習慣 – ぼけずに楽しく長生きする方法』(ワニブックス)、『心理教科書 公認心理師 完全合格テキスト 第2版』(共著、翔泳社)など著作多数。「偉人たちの健康診断」(NHKBS)、「櫻井・有吉THE夜会」(TBS)、「ノンストップ!」(フジテレビ)など、メディア出演も数多い。
構成/DIME編集部