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音が怖くて電車に乗れないという感覚過敏の人に対してできるサポートは?

2024.10.17

悪気なく失礼なことを言ったり、話を聞いていなかったり、集団行動が苦手だったり、喜怒哀楽の変化が激しかったり…発達障害の人とのコミュニケーションはときに難しいことがあります。そんなとき、本人たちは何を感じ、どんな世界を見ているのでしょうか?

精神科医の岩瀬利郎氏による15万部突破のベストセラーとなっている『発達障害の人が見ている世界』は発達障害の人と周りの人が見ている世界の違いを分かりやすく紹介し、特性を持つ子どもの親から、ビジネスパーソンまで、幅広い読者に支持されています。今回はそのマンガ版である『マンガでよくわかる! 発達障害の人が見ている世界』から一部を抜粋・編集し、発達障害への理解を深めるヒントを紹介します。

音に敏感で、ゴーという音が怖くて電車に乗ることができない

無理に刺激に慣れさせようとせず道具の力を借りて不安の原因をカット

ASDのNさん(11歳・女子)は、聴覚過敏のため、ゴーゴーという音が怖くてなかなか地下鉄に乗れません。同じ聴覚過敏では、蛍光灯のジジという音が聞こえてしまう人もいます。

他にも、聴覚、触覚、視覚、嗅覚、味覚のどれか、もしくは複数がとても敏感で、普通は気にならないような刺激に強く反応してしまう人もいます。発達障害の人は、定型発達の人とは違う五感で生きていることがあるのです。

感覚過敏の場合、無理に刺激に慣れさせようとしても、逆効果。「怖くない」「大丈夫」という言葉も耳には届きません。

子どもが聴覚過敏で電車に乗れないなら、環境騒音だけをカットするデジタル耳栓や、ヘッドホン型の防音具であるイヤーマフなどを装着させましょう。適した道具が見つかれば、けろっとした顔で地下鉄に乗れるかもしれません。もちろん、地下鉄に乗らないという選択もありです。成長とともに緩和されていくこともありますので、気長に付き合ってあげてください。

〈生きづらさを抱えるあなたへのヒント!〉
音は大丈夫だけど、電車に乗ると不安になり、息苦しさを感じます

発達障害とは別に、広場恐怖症という不安障害の一種で電車に乗れない人もいます。逃げようのない場所に恐怖心を抱くもので、各駅停車なら乗れるという人もいますが、やはり努力で解決することは困難です。誰かと一緒に行動する場合は、自分は不安障害で急行電車に乗れないということを率直に伝えましょう。

★ ★ ★

「マンガでよくわかる!発達障害の人が見ている世界」
著者岩瀬利郎(監修) ゆむい(マンガ)
発行所 株式会社アスコム
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岩瀬 利郎(いわせ・としお)
精神科医、博士(医学)。東京国際大学医療健康学部准教授。埼玉石心会病院精神科部長、武蔵の森病院院長、東京国際大学人間社会学部専任教授、同大学教育研究推進機構専任教授を経て現職。精神科専門医、睡眠専門医、臨床心理士・公認心理師。15万部を超えるベストセラーとなった『発達障害の人が見ている世界』(アスコム)他、『認知症になる48の悪い習慣 – ぼけずに楽しく長生きする方法』(ワニブックス)、『心理教科書 公認心理師 完全合格テキスト 第2版』(共著、翔泳社)など著作多数。「偉人たちの健康診断」(NHKBS)、「櫻井・有吉THE夜会」(TBS)、「ノンストップ!」(フジテレビ)など、メディア出演も数多い。

構成/DIME編集部

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