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なぜ、嫌いでもないのにイチゴを見ただけで「オエッ」となるのか?

2024.10.12

悪気なく失礼なことを言ったり、話を聞いていなかったり、集団行動が苦手だったり、喜怒哀楽の変化が激しかったり…発達障害の人とのコミュニケーションはときに難しいことがあります。そんなとき、本人たちは何を感じ、どんな世界を見ているのでしょうか?

精神科医の岩瀬利郎氏による15万部突破のベストセラーとなっている『発達障害の人が見ている世界』は発達障害の人と周りの人が見ている世界の違いを分かりやすく紹介し、特性を持つ子どもの親から、ビジネスパーソンまで、幅広い読者に支持されています。今回はそのマンガ版である『マンガでよくわかる! 発達障害の人が見ている世界』から一部を抜粋・編集し、発達障害への理解を深めるヒントを紹介します。

好き嫌いが多く、少数の決まったものしか食べられない

“好き嫌い”ではないことを理解し不快を感じるものの傾向を整理しよう

ASDのIさん(12歳・女子)は、食べられる食材が限られているため、学校に許可を得てお弁当を持参しているそうです。

こうした極端な偏食の原因として指摘されているのが、辛味や苦味、酸味などが異常に強く感じられたりする“感覚過敏”です。食べ物の食感や温度を、受け入れがたいほど不快に感じていることも多いようです。また、逆にそれらを感じにくかったりするなどの、感覚鈍麻の場合もあります。

つまり、“好き嫌い”ではないのです。

ご家族は心配して、つい「わがまま言わずに食べなさい!」と言いたくなってしまいますが、ここは本人から一度ゆっくり話を聞き、過去に食べたもののどこが嫌だったのか整理しましょう。“少しでも辛いのがダメ”“カリカリした歯触りが嫌”といった、不快を強く感じる刺激の正体を探っていくのです。

わがままによる偏食ではないことを理解し、温かく見守りながら、食べられるものを増やす手助けをしてあげてください。

〈生きづらさを抱えるあなたへのヒント!〉
味は嫌いじゃないのに、イチゴを見ると「オエッ」となるのはなぜ?

感覚過敏による偏食は、味覚や触覚に限りません。もし、イチゴの真っ赤な色や、表面に並ぶ種のツブツブが強く目に飛び込んできて気持ち悪さを感じているのなら、これは視覚の感覚過敏によるものです。イチゴの味は好きなら、つぶしてみたり、目をつぶって口にポイッ。苦手なポイントを消してしまうのも手です。

★ ★ ★

「マンガでよくわかる!発達障害の人が見ている世界」
著者岩瀬利郎(監修) ゆむい(マンガ)
発行所 株式会社アスコム
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岩瀬 利郎(いわせ・としお)
精神科医、博士(医学)。東京国際大学医療健康学部准教授。埼玉石心会病院精神科部長、武蔵の森病院院長、東京国際大学人間社会学部専任教授、同大学教育研究推進機構専任教授を経て現職。精神科専門医、睡眠専門医、臨床心理士・公認心理師。15万部を超えるベストセラーとなった『発達障害の人が見ている世界』(アスコム)他、『認知症になる48の悪い習慣 – ぼけずに楽しく長生きする方法』(ワニブックス)、『心理教科書 公認心理師 完全合格テキスト 第2版』(共著、翔泳社)など著作多数。「偉人たちの健康診断」(NHKBS)、「櫻井・有吉THE夜会」(TBS)、「ノンストップ!」(フジテレビ)など、メディア出演も数多い。

構成/DIME編集部

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