悪気なく失礼なことを言ったり、話を聞いていなかったり、集団行動が苦手だったり、喜怒哀楽の変化が激しかったり…発達障害の人とのコミュニケーションはときに難しいことがあります。そんなとき、本人たちは何を感じ、どんな世界を見ているのでしょうか?
精神科医の岩瀬利郎氏による15万部突破のベストセラーとなっている『発達障害の人が見ている世界』は発達障害の人と周りの人が見ている世界の違いを分かりやすく紹介し、特性を持つ子どもの親から、ビジネスパーソンまで、幅広い読者に支持されています。今回はそのマンガ版である『マンガでよくわかる! 発達障害の人が見ている世界』から一部を抜粋・編集し、発達障害への理解を深めるヒントを紹介します。
新しいものを見ると、後先考えず衝動的に買い、すぐに飽きる
深刻な事態になる前に家族が介入を。多少強引でも、すぐ浪費をやめさせる
ADHDのUさん(25歳・女性)は、新しいものにハマりやすく、趣味や習い事も、次々と手を出してはやめてしまいます。
Uさんのような人は、“新奇追求”という傾向を持っていることがあり、魅力的な新商品があると、即断即決で購入。一方で飽きっぽく、すぐに次のものに気移りしてしまいます。
“新しいもの好き”程度に思いがちですが、瞬間的な高揚感に脳が逆らえないのです。早急に家族が対処しましょう。
際限のない浪費につながるクレジットカードやキャッシュカードは家族が預かり、必要に応じて渡すようにしてください。スマートフォンの決済アプリは目の前で削除させ、自動で決済が進む買い物サイトは退会手続きを。そうした応急処置をしたうえで、「毎月、好きな買い物はいくらまで」と、本人の収入に見合った買い物のルールづくりを一緒にします。それでも買いたい衝動は襲ってくるので、買う前に“本当にほしいものか?”と自問し、家族に相談するクセをつけさせましょう。
〈生きづらさを抱えるあなたへのヒント!〉
買い物大好きでお金が貯まりません。将来が不安です
貯金ができないと悩むADHD の人は、ぜひ無料の家計簿アプリを活用してみてください。いつも身近にあるスマートフォンを使えば、小さな買い物でもその場で入力できます。そのたびに収支が可視化されていくため、「今月はいくら残す!」というゲーム感覚に似た刺激が、買い物の衝動を抑えてくれることがあります。
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「マンガでよくわかる!発達障害の人が見ている世界」
著者岩瀬利郎(監修) ゆむい(マンガ)
発行所 株式会社アスコム
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岩瀬 利郎(いわせ・としお)
精神科医、博士(医学)。東京国際大学医療健康学部准教授。埼玉石心会病院精神科部長、武蔵の森病院院長、東京国際大学人間社会学部専任教授、同大学教育研究推進機構専任教授を経て現職。精神科専門医、睡眠専門医、臨床心理士・公認心理師。15万部を超えるベストセラーとなった『発達障害の人が見ている世界』(アスコム)他、『認知症になる48の悪い習慣 – ぼけずに楽しく長生きする方法』(ワニブックス)、『心理教科書 公認心理師 完全合格テキスト 第2版』(共著、翔泳社)など著作多数。「偉人たちの健康診断」(NHKBS)、「櫻井・有吉THE夜会」(TBS)、「ノンストップ!」(フジテレビ)など、メディア出演も数多い。
構成/DIME編集部