悪気なく失礼なことを言ったり、話を聞いていなかったり、集団行動が苦手だったり、喜怒哀楽の変化が激しかったり…発達障害の人とのコミュニケーションはときに難しいことがあります。そんなとき、本人たちは何を感じ、どんな世界を見ているのでしょうか?
精神科医の岩瀬利郎氏による15万部突破のベストセラーとなっている『発達障害の人が見ている世界』は発達障害の人と周りの人が見ている世界の違いを分かりやすく紹介し、特性を持つ子どもの親から、ビジネスパーソンまで、幅広い読者に支持されています。今回はそのマンガ版である『マンガでよくわかる! 発達障害の人が見ている世界』から一部を抜粋・編集し、発達障害への理解を深めるヒントを紹介します。
せっかちで、仕事でもプライベートでも、常にセカセカ、イライラ
結論から話し、相手の行動を先読み。せっかちな人に合わせるメリットもある
会社員のYさん(38歳・男性)は、仕事でも、相手が電話に出るのが遅いとイライラ、メールの返信が遅いとイライラ。
すぐに答えを求め、結論が出ない会議にもイライラ……。
メールにも思いつきでぱっと返信をしてしまい、早とちりしてしまったり、逆に、説明を端折りすぎて理解されなかったりすることもあります。「なぜ周りの人が悠長に構えていられるのかわかりません」と言うY さんのような人は、定型発達の人とは、“時間の感覚が違う”と考えてもよいでしょう。
特性と理解し、付き合い方を変えるのです。
必ず結論から話すことで、会話もスピーディーになります。
行動を予測し、次に望みそうなものを先回りして用意しておくことも大切です。仕事の報告をするときは、突っ込まれそうなポイントは、あらかじめ答えを用意しておきましょう。
このように、せっかちな人に合わせていると、自然と自分の考え方や行動から無駄が省かれていくメリットもあります。
〈生きづらさを抱えるあなたへのヒント!〉
人から「せっかち!」と言われたことがあるけど、そうなのかな?
せっかちは必ずしも欠点ではありませんが、もし改善したいと思っているのなら、「しないこと」を意識しましょう。「人の話をさえぎらない」「せかすように相づちを打たない」「人のペースに口を出さない」などなど。こうした「しないこと」を少し意識すれば、あなたはより付き合いやすい人になっていくはずです。
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「マンガでよくわかる!発達障害の人が見ている世界」
著者岩瀬利郎(監修) ゆむい(マンガ)
発行所 株式会社アスコム
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岩瀬 利郎(いわせ・としお)
精神科医、博士(医学)。東京国際大学医療健康学部准教授。埼玉石心会病院精神科部長、武蔵の森病院院長、東京国際大学人間社会学部専任教授、同大学教育研究推進機構専任教授を経て現職。精神科専門医、睡眠専門医、臨床心理士・公認心理師。15万部を超えるベストセラーとなった『発達障害の人が見ている世界』(アスコム)他、『認知症になる48の悪い習慣 – ぼけずに楽しく長生きする方法』(ワニブックス)、『心理教科書 公認心理師 完全合格テキスト 第2版』(共著、翔泳社)など著作多数。「偉人たちの健康診断」(NHKBS)、「櫻井・有吉THE夜会」(TBS)、「ノンストップ!」(フジテレビ)など、メディア出演も数多い。
構成/DIME編集部