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並んで順番を待つというルールが守れない人との付き合い方

2024.10.19

悪気なく失礼なことを言ったり、話を聞いていなかったり、集団行動が苦手だったり、喜怒哀楽の変化が激しかったり…発達障害の人とのコミュニケーションはときに難しいことがあります。そんなとき、本人たちは何を感じ、どんな世界を見ているのでしょうか?

精神科医の岩瀬利郎氏による15万部突破のベストセラーとなっている『発達障害の人が見ている世界』は発達障害の人と周りの人が見ている世界の違いを分かりやすく紹介し、特性を持つ子どもの親から、ビジネスパーソンまで、幅広い読者に支持されています。今回はそのマンガ版である『マンガでよくわかる! 発達障害の人が見ている世界』から一部を抜粋・編集し、発達障害への理解を深めるヒントを紹介します。

行列に並んで順番を待つというシンプルなルールが守れない

行列と順番待ちのルールをしっかり説明。すぐに忘れても、根気よく伝えよう

ADHDのR君(8歳・男子)とASDのSちゃん(8歳・女子)は、遊具を使う順番を守ることができません。

同じ“行列に並べない”というケースですが、ADHDとASDでは、理由が異なる場合があります。ADHDの人は、衝動性の強さから周りが見えなくなってしまい、ASD の人は、そもそもルールを理解していない可能性があるからです。ともに、叱るのではなく、順番待ちのルールをしっかり説明しましょう。

衝動性からくる場合は、周りが見えなくなって、癇癪を起こしてしまうこともあります。そんなときは一度、その場から離し、「ちゃんと並べたら遊べるよ」と穏やかに伝えましょう。

ルールを理解していない場合も同じですが、列に並んでいる絵を描いて見せたりすると、より理解しやすくなります。

何度も根気よく、説明し続けることです。そして、ちゃんと並べたときはしっかり褒めてあげましょう。そのほうが「できた!」という喜びから記憶に残りやすいのです。

〈生きづらさを抱えるあなたへのヒント!〉
さすがに順番待ちはできるけど、苦痛です。なんとかなりませんか?

ADHDの特性である衝動性は、程度の差はあれ、大人になっても残りがち。やっぱり行列が苦手だという人は、“自分へのご褒美”を定めてはいかがでしょう。たとえば、「長い順番待ちをした日は、ビールを1本追加」など、自分で自分にご褒美をあげれば、苦手が“楽しみ”に変わるかもしれませんよ。

★ ★ ★

「マンガでよくわかる!発達障害の人が見ている世界」
著者岩瀬利郎(監修) ゆむい(マンガ)
発行所 株式会社アスコム
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岩瀬 利郎(いわせ・としお)
精神科医、博士(医学)。東京国際大学医療健康学部准教授。埼玉石心会病院精神科部長、武蔵の森病院院長、東京国際大学人間社会学部専任教授、同大学教育研究推進機構専任教授を経て現職。精神科専門医、睡眠専門医、臨床心理士・公認心理師。15万部を超えるベストセラーとなった『発達障害の人が見ている世界』(アスコム)他、『認知症になる48の悪い習慣 – ぼけずに楽しく長生きする方法』(ワニブックス)、『心理教科書 公認心理師 完全合格テキスト 第2版』(共著、翔泳社)など著作多数。「偉人たちの健康診断」(NHKBS)、「櫻井・有吉THE夜会」(TBS)、「ノンストップ!」(フジテレビ)など、メディア出演も数多い。

構成/DIME編集部

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