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学校生活で協調性がないといわれる子供に対して大人がサポートできること

2024.09.30

悪気なく失礼なことを言ったり、話を聞いていなかったり、集団行動が苦手だったり、喜怒哀楽の変化が激しかったり…発達障害の人とのコミュニケーションはときに難しいことがあります。そんなとき、本人たちは何を感じ、どんな世界を見ているのでしょうか?

精神科医の岩瀬利郎氏による15万部突破のベストセラーとなっている『発達障害の人が見ている世界』は発達障害の人と周りの人が見ている世界の違いを分かりやすく紹介し、特性を持つ子どもの親から、ビジネスパーソンまで、幅広い読者に支持されています。今回はそのマンガ版である『マンガでよくわかる! 発達障害の人が見ている世界』から一部を抜粋・編集し、発達障害への理解を深めるヒントを紹介します。

指示をしても従わず、学校生活で集団行動ができない

自分の世界を持つことは強みでもある。「好き」を追求できる環境を整えて

ASDのAちゃん(7歳・女子)は、遠足や運動会の練習で集団行動をするのが大嫌い。というか、自分独自の世界観を持つAちゃんは、みんなと一緒に行動する理由がわかっていません。

先生の指示があっても、みんなと同じことをしなければならないとは思えないので従いません。反抗的な態度と勘違いされることもありますが、別種のもの。集団で行動しなければという意識が希薄なため、自分の興味を追求してしまうのです。

集団に溶け込ませようとして無理強いすると、混乱し、余計にみんなと一緒に行動できなくなってしまうこともあります。

一見、周りから浮いているようで不ふ憫びんに思うかもしれませんが、本人にとっては、好きなことに没頭しているほうが心地よい場合も多いのです。集団生活が基本となる学校では、その特性をはっきりと学校に伝え、理解を得ることも大切です。

そして、自分の世界を持っていることは強みでもあることを、ぜひ周りの大人も理解してあげられたらと思います。

〈生きづらさを抱えるあなたへのヒント!〉
協調性のないわが子の将来が心配。社会でうまくやっていけるのでしょうか?

わが道を行く子の将来が不安なのはわかりますが、「好き」を伸ばすことが、将来の仕事への道筋になるかもしれません。多様性を尊重する社会の風潮は強まっています。ASD傾向を持つ人も、未来のほうがずっと暮らしやすくなるでしょう。ネットワーク化によって、人と交わらずとも成立する仕事も増えていくはずです。

★ ★ ★

「マンガでよくわかる!発達障害の人が見ている世界」
著者岩瀬利郎(監修) ゆむい(マンガ)
発行所 株式会社アスコム
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岩瀬 利郎(いわせ・としお)
精神科医、博士(医学)。東京国際大学医療健康学部准教授。埼玉石心会病院精神科部長、武蔵の森病院院長、東京国際大学人間社会学部専任教授、同大学教育研究推進機構専任教授を経て現職。精神科専門医、睡眠専門医、臨床心理士・公認心理師。15万部を超えるベストセラーとなった『発達障害の人が見ている世界』(アスコム)他、『認知症になる48の悪い習慣 – ぼけずに楽しく長生きする方法』(ワニブックス)、『心理教科書 公認心理師 完全合格テキスト 第2版』(共著、翔泳社)など著作多数。「偉人たちの健康診断」(NHKBS)、「櫻井・有吉THE夜会」(TBS)、「ノンストップ!」(フジテレビ)など、メディア出演も数多い。

構成/DIME編集部

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