金とS&P500の違いについて
金とS&P 500は、それぞれ異なるリターンと特性を持つ投資先です。
【過去のリターン】
S&P500は過去50年で年平均9.9%のリターンを出しており、近年人気のインデックス投資の代表格です。また金は米ドル建てで過去50年で年平均約11%のリターンを持つ安定資産です。特にインフレや経済不安時には価値が上昇しますが、成長性は株式に比べ緩やかです。
では金の方が有利か?といえば、必ずしもそうでありません。なぜなら金には配当がないからです。
【配当の有無に注意】
S&P 500は、配当を支払う企業が多いため、キャピタルゲインに加えて定期的な配当収入を得ることが可能です。また配当を再投資することで複利の効果を活かすことができます。
一方の金には利息や配当はなく、リターンは純粋に価格上昇に依存します。
そのため資産の上昇という観点から考えた場合、S&P500の方が長期的には有利と言えるでしょう。
とはいえ、金はリスクヘッジ資産として有効で、S&P500が暴落したときに大きな強みを過去に何度も発揮してきました。
筆者の見解:資産額に応じた投資戦略
筆者としては、金融資産が1000万円未満の場合、リスクを取ってインデックスなどへの投資を優先することを推奨したいところです。
なぜなら株式市場は成長性が高く、短期的なリターンを期待できるため、資産を積極的に増やしたいビジネスパーソンには適した投資先と考えられるからです。
しかし、資産が1000万円を超えていたり、もっと大きな資産があり、40代以降で資産保全を優先したい場合、リスクヘッジとして金投資を考えるべきです。株式市場が大きく変動するリスクを避けるために、資産の一部を金に分散させることで、安定感のある資産運用が可能になります。
特に、金は株式や債券と異なる値動きをするため、資産運用のポートフォリオのリスクを下げる効果があります。この場合、一般的にポートフォリオの10~20%程度を金に投資することを検討しても良いでしょう。
おわりに
金は、古代から現代に至るまで、その価値を保ち続けてきた特別な資産です。特に経済の不安定さが増す現代社会において、金は安全資産としての役割を果たし続けています。
ビジネスパーソンにとって、資産を守るために金をポートフォリオに組み込むことは賢明な戦略のひとつでしょう。
なにより投資の幅が広がることで、投資に関する情報に敏感になるはずです。
金投資、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか?
文/鈴木林太郎