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年金崩壊を防ぐシステム「マクロ経済スライド」とは?

2024.09.16

将来の年金受給額を左右する『カギ』となるマクロ経済スライド。理解している人は少ないのではないだろうか。今回は、マクロ経済スライドについて導入のきっかけから解説する。

マクロ経済スライドとは?

日本では、急速に少子高齢化がすすんでいる。それでも、保険料の負担が急激に上がることなく、将来も安定して年金の給付を受けることができるよう、年金制度の維持を図る年金制度改革が都度行われてきた。

その一環として、平成16年(2004年)年金制度改正で、以下の改正が行われた。

(1) 5年ごとに給付と負担を見直す(5年ごとに財政検証を行う。)。
(2) 保険料の上昇を極力抑える。
(3) 給付水準は現役世代の平均収入の50%超が目安
(4) 国庫(税金)負担を3/1から1/2に(税金からの拠出増)
(5) 年金積立金の運用開始
(6) マクロ経済スライド導入

この改正のなかのマクロ経済スライドとは、保険料負担と給付にバランスがとれるように、年金受給額を調整する仕組みである。もともと改正前の年金受給額は受給時の物価の上昇や賃金の伸びに合わせて、増額されるようになっていた。これは、物価が上昇したり、現役世代の賃金が上昇していたりしたときに、年金受給額がそれを反映せず過去と同じ受給額であれば、モノの値段が上がっているなかで、維持されるべき生活水準を年金生活者が保つことができないためだ。

どのように使われているのか?

(参考)マクロ経済スライド|日本年金機構 (nenkin.go.jp)

マクロ経済スライドは、賃金や物価の上昇で年金受給額が上限なく上がるのを抑える仕組みだ。抑える率は、現役世代の数(保険料負担者の率)と平均余命の伸びで決まる。本来、年金受給額は生活水準維持のため、賃金の伸びと物価上昇に合わせて増額されるべきだが、年金制度維持にかかる支える側の保険料負担者の数と受け取る側の受給者の数のバランスを考慮してその増額を抑える。

確かに、年金受給額は物価や賃金上昇に合わせて変動するのが理想だが、年金制度自体が維持できなくなってしまえば本末転倒であることから、年金制度維持のためにマクロ経済スライドが適用されることは致し方ないことだろう。この年金制度維持の観点から、物価上昇や賃金上昇すればマクロ経済スライド適用で年金受給額の増加を抑え、逆に物価下落や賃金が下落した時にはそれを反映して、年金受給額を下げる。

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