小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

心臓病と診断後された後でも禁煙によって発作リスクは半減、一方で減煙では無効

2024.09.16

心臓病診断後の禁煙でも発作リスクは半減するが減煙では無効

心臓病と診断された後に禁煙すると、心臓発作や心臓関連の死亡リスクが5年間で44%低下する可能性を示すデータが報告された。ただし、喫煙本数を減らしただけでは、この効果は期待できないという。ビシャ・クロード・ベルナール病院(フランス)のJules Mesnier氏らの研究の結果であり、欧州心臓病学会年次総会(ESC Congress 2024、8月30日~9月2日、英ロンドン)で発表された。

この研究では、安定冠動脈疾患患者の国際レジストリ(CLARIFY)のデータを用いて、冠動脈疾患患者の喫煙状況が、その後の心血管イベントリスクに与える影響が評価された。

冠動脈疾患の診断から平均6.5年経過した患者3万2,378人を5年間追跡し、心血管死または心筋梗塞の発症で定義される主要心血管イベント(MACE)の発生率を検討した。登録時点で1万3,366人(41.3%)は喫煙歴がなく、1万4,973人(46.2%)は元喫煙者、4,039人(12.5%)は現喫煙者だった。冠動脈疾患診断時に喫煙していた元喫煙者のうち、72.8%は翌年までに禁煙していたが、27.2%は喫煙を継続していた。

冠動脈疾患の診断後に禁煙していた患者は、禁煙した時期にかかわらずイベントリスクが有意に低下していた。具体的には、喫煙を継続していた患者よりもMACE発生率が44%低かった(調整ハザード比〔aHR〕0.56〔95%信頼区間0.42~0.76〕)。

一方、タバコの本数を減らしながらも喫煙を続けていた患者は、タバコの本数を変えずに喫煙を続けていた患者と、MACEリスクに有意差がなかった(aHR0.96〔同0.74~1.26〕)。また、喫煙期間が1年長くなるごとにMACEリスクが8%上昇するという関連が認められた(aHR1.08〔同1.04~1.12〕)。なお、禁煙した患者は前述のようにMACEリスクが急速かつ大幅に低下していたが、喫煙歴のない患者と同程度のリスクレベルには到達していなかった。

Mesnier氏は、「私は自分の患者に対してよく、『禁煙するのが遅すぎるということはないが、早ければ早いほど心血管疾患のリスクは低くなる。しかし、減煙では十分ではない』と話している」という。また、ESC発のリリースの中で、「心臓病の診断後1年以内に禁煙を成功させる重要性を強く伝え、患者をサポートする必要がある」と述べている。

一方、タバコを長年、吸い続けている人の中には、「今からでは禁煙しても遅すぎる」と考えている人が少なくないようだが、今回の研究ではそのような考え方が正しくないことも示された。

この点についてMesnier氏は、「心臓病と診断された後での禁煙であっても、心筋梗塞や死亡という重大なリスクをほぼ半分に減らすことができる。この情報は、禁煙に踏み出せずにいる患者に向けた強力なメッセージとなるだろう」と語り、本研究の意義を強調している。

なお、学会発表された研究結果は、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは一般に予備的なものと見なされる。(HealthDay News 2024年8月29日)

Copyright (C) 2024 HealthDay. All rights reserved.
Photo Credit: Adobe Stock

(参考情報)
Press Release
https://www.escardio.org/The-ESC/Press-Office/Press-releases/Quitting-smoking-nearly-halves-heart-attack-risk-cutting-down-does-little

構成/DIME編集部

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年11月15日(金) 発売

DIME最新号は「2024年ヒットの新法則!」、永尾柚乃、小田凱人、こっちのけんと他豪華インタビュー満載!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。