伊勢丹新宿店と日本橋三越本店の約120店舗で「海藻フェア」
この秋、伊勢丹新宿店と日本橋三越本店の約120店舗で、海藻を使ったスイーツや総菜を販売するフェア「EAT & MEET SEA VEGETABLE」が開催される(伊勢丹新宿店では9月18日から10月1日まで、日本橋三越本店では9月25日から10月8日まで)。
同フェアを開催する「合同会社シーベジタブル」(高知県安芸市)は、磯焼けにより減少しつつある海藻を採取して研究し、環境負荷の少ない陸上栽培と海面栽培によって蘇らせるための研究や、海藻の新しい食べ方の提案を行っている会社。40年以上も日本中の海に潜り海藻採取・分類を行っている専門家を始め、多くの多彩なスペシャリストが集い、分野を横断して海藻の研究に取り組んでいるという。
同フェアで販売される多くの商品の中でも特に注目を集めそうなのが、海藻を使用した洋菓子。海藻は日本人にとってなじみ深い食材だが、洋菓子で使った例はあまり見たことがない。いったいどんなものなのか、8月22日に行われたメディア向け展示会に参加した。
アオサをまぶしたチョコレート、青のり入りフィナンシェに驚愕
試食会場では海藻を使ったさまざまな食品が陳列されていたが、注目を集めていたのはやはり、洋菓子類。特に目をひいたのが、鮮やかな緑色アオサをトッピングしたチョコレート「ティール」の「アオサシトロネット」。
「ティール」の「アオサシトロネット」は、レモンピールにミルクチョコレートをコーティングし、あつばアオサをまぶした新感覚のチョコレート。
上の写真はシーベジタブルの「乾燥 あつばアオサ 原藻」。香りが高いことで知られている海藻「アオサ」(ヒトエグサ)は薄いのが特徴だが、あつばアオサは天ぷら専用海藻でその名のとおり葉に厚みがあり、山菜のようなほろ苦さがあるのが特徴だという。「アオサシトロネット」を試食してみると、ほのかな苦味と磯の香りがチョコレートの甘みを引き立てる、さっぱりした後味のいいチョコだった。
「シンガポール・シーフード・リパブリック東京」の「すじ青のりのボンボンショコラ」は、中のガナシュクリームが溶けた後にすじ青のりのやわらかな繊維ととろみが残る。フレーバーだけでなく海藻の食感も活かしたチョコレートで、確かにスイーツにおける海藻の新たな可能性を感じた。
「ベルアメール」の「バレショコラ 青のり」は、ホワイトチョコレートと青のりを合わせ、塩味をくわえることで掛け合わせを最大限に生かした商品。海藻を使用したチョコレートは、ベルアメールでも初の取り組みだという。