8月初めに、日経平均がブラックマンデーを超える大幅な下落幅で下がった。このようなときは、どうすればよいか?
以下にいくつかのケースを想定して解説していくが、もちろん投資は自己責任で、無理のない資金での運用を心がけてほしい。
8月初めの大幅下落
8月5日の日経平均は、下げ幅がブラックマンデーを超える過去最大の4,400円超の下げ幅を記録した。その前営業日にも、2,200円を超えて下がり、38,000円程度あった日経平均は32,000円程度まで下がった。そのあとは、急激に値を戻し、下げる前の水準である38,000円まで株価が回復した。
この下げは、日銀が利上げを行ったことに加えて、米国景気の景気減速懸念が高まり米国の利下げの可能性が出てきたからである。今後9月に控える米国中央銀行(FRB)の金融政策決定会合(FOMC)では利下げされることが予想されており、さらに米国景気の減速が確かなものとなりさらなる利下げが行われれば、日経平均が再度大きく下げる可能性がある。今回のように、なだらかに下がるのではなく大きく下げるのは、円を借りてドル建て商品に投資する「円キャリートレード」が要因であると考えられる。円キャリートレードは金利の低い円を借りて、現在非常に金利の高いドル商品との利ザヤをとる。ドルの金利が下がり、円との現在の大きな金利差が縮小すれば、積みあがった円キャリー取引は突如解消され大幅な下落へつながるのである。
そのため、今後また米国景気減速が確認されるような経済指標が出れば今回のような大幅下落が再度起きる可能性はある。
大幅下落が起きたときどうすべきか?
8月初めのような大きく株価が下落したときはどうすべきか。
(1)短期売買の場合
8月末のような下げは、短期売買する人にとっては短期で利ザヤをとれる大きなチャンスだ。大きく下げても翌日は半値ほど戻すことが多く、下がったときに買えば大きな利益を得られる可能性がある。ただ、そのまま値下がり続けることもあるため、リスクが大きい。もちろん自己責任で、相場を見極めてほしい。
(2)長期投資の場合
長期投資は基本的に売らずにコツコツ投資するのが鉄則だ。しかしながら、現在は過去市場最高値の水準の株価であり、もし大きく下がれば今のような水準に戻るのは何年かかるかわからない。今のような日経平均が38,000円の高値圏で落ち着いている間に利益を確定しておくのも手だ。大きく下がれば、再度投資を始めるのもよいだろう。再度投資を始めるときは、下がっている間ではなく、下がった後ある程度株価が落ち着いてきた時から始めるのがおすすめだ。リーマンショックのように大きく下がった後はなかなか株価が上がらない日々が続くが、我慢してコツコツ積み立て投資を続けるのがおすすめだ。