今後株式市場の下落リスクが高くなっているなかで、投資の選択肢としてヘッジファンドという手もある。
マン・グループのヘッジファンドとは?
マン・グループは、イギリスに本社がある世界最大のヘッジファンド運用会社である。
ヘッジファンドとは、先物取引や信用取引を活用して上げ相場だけではなく、下げ相場でも利益を出すことを目指す運用を行うファンドをいう。伝統的な投資手法では、株式を買って高いところで売却して利益を得るが、売却せずに保有していた場合値下がりしてしまうと損をする、または値下がり時に投資機会を逃す。一方、ヘッジファンドは値上がり時の利益だけでなく、値下がり時に信用取引なら株式を借りて値下がり時に買い戻すことで、その値下がり時にも利益を得ることがでる。
ただし、先物取引や信用取引を行うことは、保有していない株式を借りたり資金を借りたりしてレバレッジをかけて投資するため、想定と異なる動きをした場合、通常の伝統的な投資手法に比べて大きなリスクを追うこととなり、個人にはリスクが大きすぎる。したがって、ヘッジファンドに投資できるのは、大規模な運用を行う機関投資家が投資することが多い。
今回SBIで販売開始されたのが、マン・グループが運用するヘッジファンドの中のAHLというコンピュータで自動取引するファンドである。
AHLは、その過去の相場で繰り返されてきたパターンを特定して、収益獲得を目指す。運用チームは、数学、物理、コンピュータ、エンジニアリングなどの専門家で構成され、パターンに応じたプログラムを構築し、その構築したプログラムによって自動的にコンピュータによる取引が行われる。世界で24時間相場は動いているので、コンピュータによる取引が24時間行われるようにプログラムされている。顧客には、世界最大の政府系ファンド「ソブリンウェルスファンド」、財団法人等がいる。
AHLは、そもそも大手証券会社で個人向けに既に販売されており、個人向けの販売実績も10年超ある。個人向けは、ヘッジファンドに直接投資するわけではなく、ヘッジファンドに連動する投資信託に投資する投資信託、またはヘッジファンドに連動する投資信託を満期のある割引債券を通して投資し満期時には元本が確保される元本確保型等がある。ただ、投資単位は300万円、100万円というように高かった。
今回のSBIの『SBI-Man リキッド・トレンド・ファンド』は、100円以上1円単位から投資でき、ポイントからも投資できることから、大きな金額からでなくても気軽に投資できるのが最大のメリットだ。そして、積立てによる投資も可能となっている。