ソニーグループの金融領域でもWeb3向けサービスが活性化中
ソニュームとは別のところでもソニーグループはWeb3関連の動きを見せている。主に金融領域での動きであるが、web3でのエコシステム構築には金融機関は欠かせないものなっている。日本円などの現実の通貨とweb3の通貨である暗号資産(仮想通貨)とを交換したり、web3内での経済活動に必要な資産・通貨の管理をマストで行わなければならないためだ。
■ソニー銀行でのweb3の取り組み
2024年7月31日には、グループ傘下の金融機関であるソニー銀行が、Web3上に実装したNFTという複製や改ざんが難しいデジタルデータを管理する「Sony Bank CONNECT」アプリをリリースした。
■Sony Bank CONNECT画面イメージ
出典:ソニー銀行
“初心者でも使いやすく、手軽にweb3の世界を体験できます”(プレスリリースより)とし、web3の大衆化を後押しする姿勢を見せる。
同銀行では、2024年2月にNFT配布キャンペーンを行なったり、同3月にはデジタル証券の取り扱いを行なったりするなど、web3領域での活動に精力的だ。
■暗号資産取引サービス企業の買収
2023年8月に、ソニーグループの関連企業Quetta Web株式会社が、シンガポールにある「アンバーグループ」を買収していた。2024年7月には同社名を「S.BLOX」への変更し、ソニーグループの一員として、暗号資産取引サービスを始めとした様々な関連サービスに取り組む方針であるという。
■暗号資産取引サービス「whalefin」
出典:https://www.whalefin.com/ja
S.BLOXが運営する暗号資産取引サービスは「whalefin」という名称である。
エンタメから家電まで、ネットに繋がるサービスの次世代基盤はソニーが覇権を取る?
大企業であるソニーがブロックチェーン基盤を発表したことは、注目度が高まり、賛同者が集めやすくなったので、web3が持つ技術や法律面での課題解決がこれまで以上に加速するのは自明だ。
■ソニュームのビジョン
出典:ソニューム
ソニュームは、ビジョンに“世界の隔たりがないボーダレスなインターネットを目指す”を掲げ、フェアな社会作りに躍起になっている。
その社会に実現のために、デジタル化が進む社会でのあらゆるコンテンツの中心でソニュームが活用されるシーンはイメージしやすい。
例えば、ネットワークにつながる家電製品のデータ基盤や、イラストや動画などのデジタル作品の管理、プレイステーションなどのゲーム機内での通貨など具体例は尽きない。
文/久我吉史