(4)フランス
やはり注目は南野拓実、伊東純也、中村敬斗のイケメントリオ
今季はモナコでも代表でも凄まじい活躍ぶりの南野拓実(中央)=筆者撮影
フランス・リーグアン(1部)もオナイウ阿道(オセール)が2部から1部に昇格してきたくらいで、昨季と日本人選手の陣容は大きく変わっていない。ただ、南野拓実(モナコ)は開幕から目覚ましいパフォーマンスを見せ続けており、9月の日本代表・中国戦でも2ゴールをゲット。マン・オブ・マッチを獲得している。まさに絶好調と言っていい状況だけに、再ブレイクした昨季以上の活躍が期待できそうだ。
9月から7カ月ぶりに日本代表復帰を果たした伊東純也、2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選のキーマンになりそうな中村敬斗の所属するスタッド・ランスも注目の存在。7月のジャパンツアーで4試合を行った際には両イケメンの人気の高さが窺えた。今季序盤は思うように結果が出ていないものの、彼ら2人がどれだけゴール・アシストに絡むかが浮上にカギになってくる。ここからの働きをしっかりと見極めたいものである。
<1部>
南野拓実(モナコ)
伊東純也、中村敬斗(スタッド・ランス)
オナイウ阿道(オセール)
(5)イタリア
レジェンド・中田英寿が在籍したパルマで正GKとなった鈴木彩艶に注目
日本人選手が鈴木彩艶(パルマ)1人ということで、どうしても目を向ける機会が減ってしまいそうなイタリア・セリエA(1部)だが、守備文化の根強い国で日本人GKがレギュラーとして活躍している点は特筆すべきものがある。
過去には川島永嗣(磐田)がフランス・リーグアンで活躍したことがあったが、鈴木彩艶はまだ22歳。伸びしろは無限大で、新たな歴史を作る可能性が高い。そのパフォーマンス、今後の成長をしっかりと注視すべきだ。
<1部>
鈴木彩艶(パルマ)
(6)その他リーグ
谷口彰悟ら日本人大量進出のベルギーは見逃せない!
30代で中東→欧州という異例の移籍を果たした谷口彰悟(中央)=筆者撮影
欧州5大リーグ以外に在籍する日本人は数えきれないほどいるが、日本代表クラスに目を向けると、オランダ・エールディビジ(1部)では、代表エースFWの上田綺世(フェイエノールト)と小川航基(NECナイメンヘン)がバチバチとぶつかり合っている。そこに代表予備軍の毎熊晟矢(AZ)やパリ五輪世代の佐野航大(NECナイメンヘン)らが絡んでくる構図は興味深い。まずは上田と小川の得点争いから見てみたい。
ポルトガルには、日本代表ボランチの主軸を担う守田英正(スポルティング・リスボン)がいる。彼も4シーズン目を迎え、もう一段階飛躍したいところ。目に見える数字含めて、活躍を期待したい。
ベルギー1部には、9月の2026年W杯最終予選にも参戦した谷口彰悟(シントトロイデン)、町田浩樹(サンジロワーズ)らがおり、パリ五輪で活躍した藤田譲瑠チマ(シントトロイデン)らネクストブレイク候補もしのぎを削っている。その一挙手一投足は気になるところ。格上リーグに飛躍する人材が出てくることを楽しみに待ちたい。
スコットランド1部は前田大然、旗手怜央のセルティック勢のさらなる成長が待たれるところ。彼らは日本代表のコアメンバーではあるが、絶対的存在にあと一歩という状況。やはりクラブでの爆発が必要だ。今季は勝負のシーズンになる。
日に日に存在感を高めている190センチの大型DF町田浩樹(筆者撮影)
(*日本代表、パリ五輪代表クラスのみ)
<オランダ1部>
上田綺世(フェイエノールト)
小川航基、佐野航大(NECナイメンヘン)
毎熊晟矢(AZ)
三戸舜介(スパルタ・ロッテルダム)
<ポルトガル1部>
守田英正(スポルティング・リスボン)
<ベルギー1部>
シュミット・ダニエル、伊藤敦樹、渡辺剛(ヘント)
谷口彰悟、藤田譲瑠チマ、山本理仁、小久保玲央ブライアン(シントトロイデン)
町田浩樹(サンジロワーズ)
<スコットランド1部>
古橋亨梧、前田大然、旗手怜央(セルティック)
<トルコ1部>
松木玖生(ギョズテペ)
取材・文/元川悦子
長野県松本深志高等学校、千葉大学法経学部卒業後、日本海事新聞を経て1994年からフリー・ライターとなる。日本代表に関しては特に精力的な取材を行っており、アウェー戦も全て現地取材している。ワールドカップは1994年アメリカ大会から2014年ブラジル大会まで6大会連続で現地へ赴いている。著作は『U−22フィリップトルシエとプラチナエイジの419日』(小学館)、『蹴音』(主婦の友)『僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」(カンゼン)『勝利の街に響け凱歌 松本山雅という奇跡のクラブ』(汐文社)ほか多数。