8月末で移籍市場終了した欧州組注目選手ガイド
8月末で欧州主要リーグの移籍市場が終了。噂されていた久保建英(レアル・ソシエダ)や板倉滉(ボルシアMG)の移籍はなかったが、最終日の30日に日本代表MF田中碧のインググランド2部・リーズ行きが決まるなど、数多くの日本人プレーヤーが新天地に赴き、新たなキャリアを築くことになった。
今や日本代表クラスはもちろんのこと、それに続く人材も欧州でしのぎを削っている。9月の代表ウイークも終了したこのタイミングで、彼らの現状を踏まえつつ、今季欧州日本人の動向・注目ポイントをまとめてみた。
イングランドで新たな一歩を踏み出した鎌田大地(中央)と2年目の遠藤航(左)=筆者撮影
(1)イングランド
日本人選手が大量進出。必見のイングランド
欧州最高峰リーグと言われるイングランド・プレミアリーグ(1部)には、日本代表キャプテン・遠藤航(リバプール)筆頭に、昨季の長期離脱から復帰した三笘薫(ブライトン)、アーセナル4シーズン目を迎える冨安健洋、今季からプレミア参戦を果たした鎌田大地(クリスタルパレス)、菅原由勢(サウサンプトン)の5人が参戦。三笘、鎌田、菅原がシーズン序盤からコンスタントに試合に出ている状況だ。
特に三笘は8月17日の開幕・エバートン戦でいきなり初ゴールをゲット。続く24日のマンチェスター・ユナイテッド戦でもアシストを決め、チームの快進撃をけん引している。彼の場合、代表との掛け持ちでコンディションを崩さないかどうか気になるところだが、本人も二足の草鞋を履いてフル稼働できるようにプレシーズンに入念な調整を積んだという。その成果を9月の中国戦(埼玉)でまず存分に発揮した。これを弾みにして、スター街道を驀進してほしいところだ。
念願のプレミア移籍を果たした菅原由勢(サウサンプトン)=筆者撮影
鎌田と菅原は新たなリーグ挑戦でまずまずのスタートを切っている。特に鎌田は昨季在籍したラツィオで紆余曲折を強いられただけに、フランクフルト時代の恩師であるオリヴァー・グラスナー監督率いるチームで再ブレイクを果たしたいところ。まずはいち早い新天地初ゴールを期待したいものである。
一方、2部に相当するチャンピオンシップには、田中碧を筆頭に、日本代表招集歴がある橋岡大樹(ルートン・タウン)、坂元達裕(コベントリー・シティ)、角田涼太朗(カーディフ・シティ)、今季J1前半戦で11ゴールをマークした大橋祐紀(ブラックバーン)、パリ五輪代表の斉藤光毅(クイーンズパーク・レンジャーズ=QPR)、平河悠(ブリストル)と7人もの有望選手が参戦。全員がプレミア昇格を虎視眈々と狙っている。9月2日の第5節終了時点ではリーズが4位、ブラックバーンが5位。2部とはいえ、かなりレベルが高く、ベルギーやオランダよりもリーグの格は上と言われるだけに、その動向が大いに気になる。
さらに、3部相当のフットボールリーグ1のバーミンガム・シティに2022年JリーグMVPの岩田智輝と21歳のドリブラー・横山歩夢が今夏から移籍。彼らもステップアップの機会を窺っている。8月30日にバーミンガムにいた三好康児がドイツ・ブンデスリーガ1部のボーフムに引き抜かれた例もあり、何が起きるか分からないため、要チェックだ。
<1部>
遠藤航(リバプール)
三笘薫(ブライトン)
冨安健洋(アーセナル)
鎌田大地(クリスタルパレス)
菅原由勢(サウサンプトン)
<2部>
田中碧(リーズ)
橋岡大樹(ルートン・タウン)
坂元達裕(コベントリー・シティ)
角田涼太朗(カーディフ・シティ)
大橋祐樹(ブラックバーン・ローヴァーズ)
斉藤光毅(クイーンズ・パーク・レンジャーズ)
平河悠(ブリストル)
<3部>
岩田智輝、横山歩夢(バーミンガム・シティ)