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9月は「障害者雇用支援月間」職場の障害者活躍支援とインクルージョン風土が職場にもたらすよい影響が明らかに

2024.09.11

障害のある人と一緒に働いて、困っていることや要望したいこと

障害のある人と一緒に働いて、困っている点や要望したい点について、自由記述で回答を得たものを抜粋。大きく分けて、障害者支援の拡充に関するものと、サポートする側への配慮や要望に関するものが見られた。

《障害者支援の拡充に関するもの》

障害者支援の拡充に関するものについては、「事前の説明」について、「仕事をするなかでどのような障害があるかを少しずつ理解していったので、最初に説明があればもう少し関わりやすかったと思う」「会社から具体的な説明がなされておらず対応に困ることが多かったので、雇用前にしっかりとした説明が必要」といったコメントが見られた。

事前の説明が、周囲の積極的な働きかけに大きく影響を与えることは図表3でも示したが、こうしたコメントは、より効果的に関わりたいという前向きな気持ちの表れでもあるだろう。「サポートする側に対する学習機会の提供」についてのコメントも同様である。

「障害がある人への待遇や執務環境の改善」に関するコメントも散見された。

「仕事の内容は障害に配慮されているが、フルタイムで働いてくれているので、給料がもう少し上がってほしいと思う」「今の部署だけでなくいろいろな部署での仕事を経験させてあげ、自分に合っている部署を見つけさせてあげてほしい」「肢体不自由な方に対する施設面のサポートが不足しているので、予算化した上で早急に取り組んでほしい」などは、一緒に働く同僚に対するさらなる公平性を要望する声である。

自然な形で、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の意識が職場に広がっていることを感じさせる。

《サポートする側への配慮や要望に関するもの》

サポートする側への配慮については、「障害のある人は、どうしたらうまくいくかを考える機会がある。

一方、障害がなくとも苦手なことや向き不向きがあるが、それについては話し合われないのをどうかと感じる」「障害のある人だけかなり優遇されていると感じることがある」のようなコメントが見られた。

図表6で、障害のある人と一緒に働くことで、職場全体としてお互いへの個別配慮が高まる傾向を紹介したが、逆に、それがない場合、こうした不満につながる可能性があると思われる。

また、取り組みが上司を含めた職場全体のものでない場合には、「同僚で協力してサポートすることに対して不満はないが、上司が協力に積極的ではなく、スタッフに依存していることは不満」「退職者が出ても問題点、改善点などを考えることがないため、また採用しても離職してしまう」のような声につながり、共に働く体制を維持することは難しいだろう。

図表8 困っていること・要望したいこと〈自由記述から抜粋〉

職場の障害者活躍支援もインクルージョン風土も高いと感じている群は、個人の適応感(仕事にやりがいを感じるなど)が最も高い

「職場の障害者活躍支援(「私の職場は、障害のある人の採用・活用に積極的だと思う」など3項目を平均)」と「職場のインクルージョン風土(「私の職場は、個々人の違いを尊重していると思う」など3項目を平均)」についてそれぞれH群(平均より高い群)、L群(平均より低い群)に分け、その組み合わせで構成した4群について、「個人の適応感(「今の仕事にやりがいを感じる」「今の職場が気に入っている」など4項目を平均)」の得点を比較した。

障害者活躍支援もインクルージョン風土も高いと感じているHH群(1)は、最も適応感が高い。

一方、障害者活躍支援は進んでいるが、インクルージョン風土は低いと感じているHL群(2)は、HH群(1)と比べて、適応感が有意に低い結果に。

HL群はLL群(4)に比べれば適応感が高いが、自職場が、障害者活躍支援において進んでいるだけでなく、障害のあるなしにかかわらずすべての人を尊重するインクルージョン風土も高いと感じられることが、個人の適応感に強く影響を与えることが示唆される。

図表9 職場の障害者活躍支援とインクルージョン風土が個人の適応感に与える影響〈n=302〉

調査概要

関連情報
https://www.recruit-ms.co.jp/

構成/Ara

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