主婦向けの情報メディア「SHUFUFU」が男女200人を対象に行なった「焼肉で好きな部位」調査(※)において、1位となったのが牛タン。カルビを抑えての1位には、意外に思われた人も多いのでは。
※ https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000135215.html
牛タンに関しては、仙台牛たん振興会が9月10日を「牛タンの日」に制定。よりおいしく安全に、楽しく食べてもらうこと目指して活動を展開している。
そんな「牛タンの日」を前に、昭和13年創業の老舗食肉卸・小川畜産食品から知っておきたい牛タンの豆知識と、スーパーなどで購入する際の目利き術に関するレターが届いたので、概要をお伝えする。
知って得する牛タンの豆知識
■牛一頭700kgから焼肉用としてとれる牛タンは1kg
食肉用の牛一頭の平均的な体重は700kgで、そのうちタンは約2〜3kgと言われている。しかし、約2〜3kgのタンが全て焼肉に向いているかというとそうではなく、皮や血管、食感が焼肉に適さない箇所をトリミングすると、わずか1kgほどになってしまうという。焼肉用の牛タンは、実は貴重な部位なのだ。
■国産の牛タンはわずか3%に過ぎない
農林水産省の統計(2018年度)によると、輸入された牛タンが約3万9000tだったのに対し、国内生産量が約1000tと、供給量に占める割合はわずか約3%に過ぎない。ただでさえ貴重な牛タンなのに、国産の牛タンは、さらに貴重な存在なのだ。
■日本で牛タンが食べられるようになった歴史
第二次世界大戦後、仙台にもGHQが進駐した。その際、大量に牛肉を消費する駐留米軍が残したタンとテールを有効に活用するために、1948年(昭和23年)に仙台の焼き鳥店「太助」初代店主・佐野啓四郎が、その料理人人生から得た知識・技術を用い牛タン焼きの専門店を開業。このことがきっかけで、牛タンが一般的に食べられるようになったと言われている。
■韓国では牛タンを食べない?
韓国=焼肉のイメージを持っている人も多いと思われるが、焼肉の代名詞的存在の牛タンを韓国では日本ほど食べないという。ちなみに、年間約9000tの牛タンを日本に輸出しているオーストラリアでは、そもそも牛タンは捨てる部位と認識している人が多いとのこと。
■牛タンは疲労回復が期待できる成分を含有
牛タンは他の部位に比べて疲労回復効果が期待できるタンパク質が豊富(100g当たりのタンパク質の量:牛タン約15g、カルビ約12g、ハラミ約13g)なだけでなく、ビタミンB群や栄養ドリンクで有名なタウリンも含まれている。この夏の猛暑に加え、9月の残暑でバテ気味の人におすすめの食材と言えるだろう。
牛タンを購入する際の目利き術
牛タンをスーパーなどで購入する際は次の点に注意したい。
(1)ドリップが出ていないもの
(2)肉の角が立っている(切りたての状態の)もの、
(3)肉に血管が残っていないもの(確実な処理がなされたもの)
薄切りの牛タン焼肉も美味しいが、厚切りにしてスリット(切り込み)を入れたものをステーキのようにして食べるのもおすすめだ。
関連情報
https://www.ogawa-group.co.jp/
構成/清水眞希