神託をつくって信者を増やす、ちょっとシュールなカードゲーム「教祖爆誕 たった今くだった神託で君を救うよ。」
日本におけるボード&カードゲームの流行は、コロナ禍によって一時の退潮を見るも、最近になって、また大きな盛り上がりを見せている。
最大の関連イベントである「ゲームマーケット」も、3年半ぶりに関西での開催を復活するなど話題に事欠かない。
デビュー作が25万個以上売れる大ヒット
さらに、ゲームを遊ぶプレイヤーだけでなく、作り手の裾野も広がっており、今や津々浦々で日々新製品が産声を上げている。特に最近は地方のメーカーの躍進が著しく、その1社が、札幌市にあるClaGla(クラグラ)だ。
同社はもともとボードゲームサークルを前身とし、2018年に「たった今考えたプロポーズの言葉を君に捧ぐよ。」(略称「今プロ」)で商業デビュー。派生商品を含めて25万個以上を売る人気ぶりで、多くのゲーム愛好家に知られる存在となった。
「今プロ」は、「ぽっかり空いた」「はち切れそうさ」といった言葉が書かれた多数のカードから、与えられた数枚を組み合わせてプロポーズを作るというカードゲーム。「親」役が、どのプロポーズが一番「グッときた」かを判定するのを輪番で繰り返し、勝者を決める。
「たった今考えたプロポーズの言葉を君に捧ぐよ。」の中身
ClaGlaによればヒットの要因は、「SNSでバズったことをきっかけに、今までボードゲームを遊んだことがなかった方にも波及した」からではないかという。地方発、無名発のゲームがSNSで広がる例は最近多く、ClaGlaはその成功事例の1つといえそうだ。
教祖になってお告げをつくるスピンオフ作品
そうした人気を受け、スピンオフ作品として登場したのが、今回紹介する「教祖爆誕 たった今くだった神託で君を救うよ。」だ。
本作もカードゲームの体裁で、さまざまな言葉が書かれたカードを組み合わせてウケを狙う点では同じ。ただしプレイヤーの役割が、教祖と悩み迷える人間とがらりと異なり、醸し出す雰囲気もちょっとダークな方向に寄っている。
遊び方は、とてもシンプル。3~6人集めて、180枚もある神託カードの山札をつくり、各自には初期カード7枚と教典カード3枚を配られる。
親(迷える人間)の役をジャンケンで決め、他は教祖の役となる。教祖は、山札から6枚の神託カードを引く。それから1分の制限時間の間に、与えられたカードと補助的な初期カードを組み合わせて、神託をつくる。
できあがった神託をめいめい発表し、親が一番面白いと感じたプレイヤーから、その人の教典カードを受け取る。教典カードを最初に3枚ともさばいたプレイヤーが勝者となる。