サステナ教育&ミネラルウォーターネイティブの10代をターゲットにした啓発活動
普段、当たり前のように飲んでいるミネラルウォーター。その水がどこから来ているのか、これから先も飲み続けることができるのかを考えると、資源を守り未来につないでいく必要性を考えさせられる。次世代に資源を残していくことは、ウェルビーイングな社会を作る上でも重要だ。
サントリー食品インターナショナルは、同社のミネラルウォーター『サントリー天然水』から未来の水資源への気づきを促す『次世代ウォーター・ポジティブ プロジェクト』を8月1日に始動したことを発表した。
サントリーグループでは、「今降った雨が20年後の天然水になる」「100年先の水を育む」「天然水がおいしく清らかでありつづけるように」という思いのもと、2003年から「サントリー 天然水の森」で豊かな水を育む森づくりをスタート。翌04年からは「水育」に取り組んでいる。取水量以上の水を水系に育むことを「ウォーター・ポジティブ」と考え、国内工場における節水活動や、国内工場で汲み上げる地下水量の2倍以上の水を涵養(かんよう)する「サントリー 天然水の森」活動を実施。天然水を育むためには、雨や雪解け水を受け止めることができる豊かな森が必要になるため、40以上の専門家と一緒に「サントリー天然水の森活動」を行っている。
2023年からはサステナビリティを伝えていく方針を掲げ、今回のプロジェクトでは次世代の子どもたちを「未来に水をつなぐための象徴的な世代」と捉え、未来の水資源への気づきを促す啓発活動を展開・強化。具体的には、小学生向けの新たな水の啓発授業の展開や、現役高校生約20人が有志チーム「ウォーターポジティ部」発足するなど、各年齢層に合わせた体験・参加型の施策を実施する。
サントリーのブランドマーケティング本部部長・多田誠司氏によると、「10代はサステナが学校教育にも取り入れられている世代」であり、さらに「生まれた頃からミネラルウォーターがあるミネラルウォーターネイティブ世代」。こうした若年層を「清らかでおいしい水を未来につなげていく象徴的な世代」とし、啓発活動を行っていく。
また、水ジャーナリストとして活動する武蔵野大学客員教授の橋本敦司氏は、日本の水をめぐる状況が変わってきていると明かす。日本全体の雨量は人口でみると世界平均より低く、「日本は水資源が豊かな国」という認識は間違っているのだという。水のインフラについて知り、水の問題解決や管理を周辺・流域の人々に任せるのではなく、「具体的に何ができるかを考えてアクションとして実行することが、将来の水を守ることにつながる」と語った。