金融経済アルキ帖:2024年8月5日 日経平均がブラックマンデーを超える下げ幅を記録した日
2024年8月5日、日本の株式市場は急激な下落に見舞われ、日経平均株価は一時13%を超える下落幅を記録しました。この数字は、1987年の世界的な株式市場の大暴落「ブラックマンデー」に迫るものであり、「ブラックマンデー2.0」とも呼ばれています。
そこで今回の金融経済アルキ帖は、この急落の背景にある要因を解説し、今後の展開について考察していきます。
ブラックマンデーとは?
「ブラックマンデー」とは、1987年10月19日に世界中の株式市場で大規模な暴落が発生した日を指します。特にアメリカのダウ工業株30種平均が1日で22.6%もの下落を記録し、世界の金融市場に大きな影響を与えました。この急落の原因には、アメリカの貿易赤字の拡大や、コンピュータを用いた自動売買システムの影響、さらには西ドイツ(現在のドイツ)による金融引き締め政策などが挙げられています。当時、リスク管理体制が未熟だったことも、この株価暴落を加速させる要因だったのです。
ブラックマンデー以降、金融市場におけるリスク管理や規制の強化が進められ、現在では市場の安定を図るためのシステムが導入されていますが、それでも市場は突発的な変動にさらされることがあります。
キャリートレードとは?
キャリートレードとは、低金利通貨を借り入れ、その資金を高金利の通貨や資産に投資する手法です。投資家は、借り入れた低金利通貨の金利コストよりも高いリターンが期待できる資産に投資し、利益を得ようとします。特に、日本のように長期間にわたって低金利が続いている国では、キャリートレードが活発化することが多く、円キャリートレードが代表的な例です。
円キャリートレードは、日本円を借りて、その資金を外国の高利回り資産や株式市場に投資することで利益を狙う戦略です。円が低金利であるため、借り入れコストが安く、投資先で高い利回りを得ることができるため、投資家の中にはこの戦略を中心に売買をするケースも見られます。
しかし、円高が急激に進行した場合、借りた円を返済する際に大きな損失が発生するリスクも伴います。今回の市場急落も、この円キャリートレードの巻き戻しが大きく影響したのです。